日本ハム新庄剛志監督(52)が得意の“新庄劇場”で勝負の3年目をスタートさせた。

試合開始直前。開幕前日にロッテ吉井監督に承諾を得た“ハイタッチ・メンバー表交換”を実行。審判団とも笑顔でハイタッチする姿に、超満員の敵地も拍手と歓声で大盛り上あがり。大局を見て「力を合わせて野球を盛り上げていきたい」という思いが開幕戦から最高のムードをつくりあげ、自身初、チームとしては20年8月28日以来1309日ぶりの貯金1を目指した開幕戦が始まった。

今季はパフォーマンスだけではない。考え抜いた開幕スタメンが、しっかり機能した。3回。先頭の水野が三塁打で出塁し、奈良間が四球でつないで、田宮が先制打を放った。おそらく最後まで悩んでいたであろう下位打線の3人が躍動。キャンプやオープン戦からアピールした水野と田宮に、小島から昨季プロ初本塁打を放った奈良間は2軍戦での打撃内容を見て開幕直前に1軍へ招集。指揮官の勝負眼も開幕からばっちりハマった。

開幕投手に指名した伊藤も期待に応える熱投を見せた。初回こそ、初の大役に力が入って25球を要した。それでも無失点で切り抜けると2回からは奪三振ショー。夜の肌寒い海風を浴びながらも、半袖姿でロッテ打線を封じていった。昨年9月の段階で今季の開幕投手を通達した理由は「人間的に成長させて、責任感を持たせるため」。ひと冬を越えて、思惑通りに頼もしくなってくれた。

過去2年で鍛え上げた選手たちと、新加入の即戦力を融合させ、最低限の目標がAクラス入り。「この3年目で選手たちが爆発してくれる予感がする。ファンと同じような気持ちで僕もどんなプレーをしてくれるか、ものすごく楽しみ」。初の貯金生活どころか、目指すは最初の20戦で16勝4敗の開幕ダッシュ。やってくれそうな予感が漂う、開幕戦となった。【木下大輔】

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