阪神大山悠輔内野手(29)が力強いタイムリーで周囲を安心させた。

2点を先制された直後の4回だ。1番近本の右越えソロで1点差に迫り、なおも無死一、二塁。1ボール1ストライクからヤクルト吉村の内角高め直球を押し返し、右前に同点打を運んだ。「もう1点1点というところだったので。良かったと思います。得点が入ったことが1番です」。すぐさま試合を振り出しに戻し、チームを落ち着かせた。

下半身に張りを抱えた状態でシーズンイン。前日5日のヤクルト戦では一塁守備の最中、打者走者と激しく衝突して立ち上がれない場面もあった。一夜明け、体への影響が心配されたが、この日も元気にフル出場。何より150キロ前後の高め直球を踏ん張ってはじき返した打席内容に、首脳陣もホッとひと安心だろう。直近の4試合で16打数5安打、打率3割1分3厘と徐々に状態を上げている。

昨季はリーグ最多の99四球と最高出塁率4割3厘も記録したが、唯一納得できた数字は4年ぶりに達成した全143試合出場だったという。今季もストップをかけられない限り、グラウンドに立ち続けるつもりだ。試合後は「まあ、勝てたことが1番なので」と柔らかな笑顔。泰然自若の4番は24年も猛虎打線の柱であり続ける。【佐井陽介】

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