世代の代表として、右腕2人が球界を盛り上げる。広島前田健太投手(22)と楽天田中将大投手(22)のプロ同期生トークが11月30日、テレビ局の企画で甲子園で実現。日本ハムから1位指名された早大・斎藤佑樹投手(22=早実)ら同学年の大卒選手がプロ入りしてくるが、前田健は「先に入っている分、意地がある」と負けん気むき出し。マー君は今季「8冠」を獲得したマエケンに刺激され「もちろん、取りたい」と来季の沢村賞を狙うことを宣言した。

 前田健は田中とタッグを組み、球界を引っ張る意気込みを示した。早大・斎藤、大石ら同い年の大卒選手がプロ入りしてくる。「大学生が何人か名前が挙がってきている。僕らの世代の中心として競い合ってやっていけたらいい。先に(プロに)入っている分だけ意地もあるし、僕がセ・リーグ、マー君がパ・リーグを引っ張れれば最高」と、プロで実績を残してきたプライドをのぞかせた。

 田中と三塁側アルプス席で初めて、じっくり話し込んだ。同い年で同じ高卒プロ入り組。ともに本格派の先発右腕として実績を重ねてきた共通点もある。ライバルでありながら、1年目に11勝を挙げ新人王に輝いた田中の存在が発奮材料になっていた。「僕の中で特別な存在。高卒でやってきて1年目から活躍している。大学生が注目されているけど、マー君は1年目からすごい成績を挙げていますから」。早大・斎藤を中心とした「ハンカチ世代」と呼ばれることが多い。通算46勝の田中に対し、32勝。しかし互いにより厳しいプロの世界で結果を残してきた自負がある。

 中学時代から縁があった。忠岡ボーイズ時代、田中が所属した宝塚ボーイズと何度も練習試合などで対戦した。同じ関西で競い合った間柄だが、先発で投げ合ったことは高校、プロを通じて1度もない。ローテーションの関係で、楽天戦は登板なし。「(投げ合うのは)1つの楽しみ。チームのことだし、投げるなら負けないように。0-0で、ずっと投げ合えれば面白い。そろそろやってみたいですね」と田中に目線を送った。

 「セ・リーグには同い年が少ないけど、パには多い。交流戦で投げたいですね」。「88年会」を発足させ、中心的役割を担うことにも意欲十分だ。豊作といわれる世代を、右腕で引っ張る。【酒井俊作】

 [2010年12月1日9時8分

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