同じ過ちは犯さない。プロ2年目となる広島福井優也投手(23)が24日、2月1日のブルペン入りを誓った。今日25日からの先乗り合同自主トレのため沖縄入り。昨春は調整不足から、捕手を座らせたのは日南移動後の2次キャンプから。すでに打撃投手を務めており“ハイペース調整”で2年目のジンクスを吹き飛ばす。

 2年目に手応えを感じている。福井の顔には、充実感が漂っていた。4日から東京都内の東京ガスグラウンドで、西武片岡らとともに連日のハードトレーニングに耐え抜いた。すでに数度、打撃投手も務めた。左肩の開きを抑えた“ダルビッシュ流”の投球フォームも定着している。本気で出来を確認するのは2月1日。プロ野球界の“元日”に照準を定めている。

 「フォームの形というのは頭に入っている。自主トレでは立ち投げで準備して初日から投げられるようにしたい。去年はオフに何もしていなかったですが、今年はきっちりトレーニングしてきたので大丈夫」

 苦い思い出がある。ルーキーだった昨春は、大学の卒論などに追われ調整不足で新人合同自主トレに参加した。1軍キャンプにこそ同行したが、ブルペン入りは2月10日。捕手を座らせたのは、日南移動後の15日だった。その間、左太もも裏の張りを訴えるなど、肉体は悲鳴を上げた。過ちを省み、2度目のオフは1日6時間にもおよぶトレーニングで体をいじめ抜いた。

 「痛めるまでやる必要はないがアピールはしないといけない。ローテが決まったとも思っていないし、開幕ローテに入りたいです」

 1年目で8勝を挙げた右腕も危機感を募らせる。前田健、バリントンのほかに右肩痛から復活を期す大竹、ドラ1ルーキー野村と、先発右腕の競争は激しさを増している。投手王国再建に、出遅れるわけにはいかない。【鎌田真一郎】

 ◆福井の1年目キャンプ

 沖縄キャンプの序盤にブルペン投球を行わず、2月3日に首脳陣から事情を聴かれた。直後の同5日に左太もも裏の張りを訴え早々と別メニュー調整を強いられた。ペースアップしたのは日南キャンプに入ってから。同21日に初めて打撃投手を務めた。初実戦だった3月5日ロッテ戦(マツダ)は1回無失点。2軍戦登板などを経て、開幕ローテに間に合わせた。