侍ジャパンの阪神佐藤輝明内野手(26)が、壮行試合の「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2026」中日戦(バンテリンドーム)で豪快な決勝3ランをかっ飛ばした。3試合連続4番を任され、初回の好機で中日先発柳から右中間席へ特大の先制131メートル弾。ベンチで戦況を見守ったドジャース大谷翔平投手(31)の前でプロ6年目の侍初アーチを決め、WBCでのスタメンを強烈にアピールした。この日、3月8日の1次ラウンド・オーストラリア戦(東京ドーム)が60年ぶりの「天覧試合」になることが決定。歴史的な1発への期待も大きく膨らんだ。
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“大谷フィーバー”に沸き立つバンテリンドームで、一瞬にして主役の座を奪った。0-0で迎えた初回。侍打線が2四死球でつないだ1死一、二塁の好機。3試合連続ジャパンの4番を任された佐藤が、中日柳の初球を完璧に捉えた。
「いい感触でした。しっかり初球から振ろうと決めていて、いいスイングができました」
公認速報アプリ「NPB+」による飛距離は131・4メートル、打球速度はメジャー級の179・4キロ。右中間席への1発は、誰もが確信する先制決勝の超特大3ランとなった。プロ6年目で出た会心の侍1号だ。
刺激もパワーに変えたのか。試合前、大谷がフリー打撃に登場。ファンだけでなく佐藤もじっと見つめていた。「全部見ていました。勉強というか、得るものあるかなと思ってずっと見ていました」。超一流に学んで即結果につなげた。ベンチではドリンクを飲む大谷、鈴木、吉田のMLBトリオと喜びを分かち合った。「しっかりハイタッチしたので、見ていてくれたと思います」と喜んだ。
昨季ビジター最多の7本塁打を放ったバンテリンドームの外野に、「ホームランウイング」が設置された。こけら落としの一戦で放った1発が記念の“新バンテリン1号”となった。外野席までの距離が6メートル近くなり、フェンスも1・2メートル低くなったが、そんな恩恵も必要ない、格外のパワーだった。
「自分自身しっかりアピールする立場だと思っているので。今日はいい結果が出てよかった」。22日のソフトバンク戦でも3適時打で5打点。3月2日のオリックス戦から解禁されるメジャー組の出場を前に、3戦8打点でレギュラー奪取を猛アピールした。まだ合流していない岡本、村上と三塁のポジションがかぶるが、右翼の練習もこなしている。井端監督も「チャンスでああいう一振りで初回に3点入るのは非常に大きい」と評価を高めていた。
この日、3月8日の1次ラウンドのオーストラリア戦を、天皇陛下が観戦されることが決まった。「連覇もかかっているので、しっかり一員になれるように頑張りたいです」。スタメンを勝ち取り、国内60年ぶりの天覧試合でも自慢の打棒を披露する。【磯綾乃】
▽日本松田野手総合コーチ(佐藤の先制3ランに)「(メジャー組に)頼るだけじゃなくて融合しないといけないと思うので、佐藤選手のホームランは最高だなと思います。インパクトを残してくれている」
◆阪神と天覧試合 1959年(昭34)に行われた巨人との唯一の天覧試合(後楽園)に4-5で敗れた。3回に先発小山正明の適時打で先制。一時逆転を許したが、6回に3番三宅秀史の適時打と4番藤本勝巳の2ランで逆転した。7回に王貞治の2ランで追いつかれると、村山実が2番手で登板。無失点に抑えていたが9回、先頭の長嶋茂雄にサヨナラ本塁打を浴びた。左翼ポール際の打球で村山は「あれはファウルや! 絶対ファウルや!」と悔し涙を流したが、1番吉田義男は「冗談かと思ったけど、彼は真剣だった」と証言。長嶋のちには「そのスピリッツがムラさんのよさなんだ」と語っている。なお、66年の日米野球も天覧試合となったが、阪神選手は出場していない。

