ヤクルト山田哲人内野手(24)がWBCでDH起用される可能性が浮上した。9日、沖縄・浦添キャンプを視察した侍ジャパン小久保裕紀監督(45)が「(指名打者で使う可能性は)ある」と明言したもの。DH制を採用していないセ・リーグで戦う山田にとっては不慣れだが、二塁には4年連続ゴールデングラブ賞の広島菊池がいる。「任されたところでやるのがプロ」と、気持ちを新たにした。

 この日は小久保監督が見守る中、フリー打撃で35スイング。約30分の特打も行い、力強いスイングと鋭い打球を披露した。小久保監督は「(山田と菊池の)2人を同時に出す方法はないかと考えている」と明かした。打順についても「1、2番は青木、山田、菊池の3人で固まっていく」と青写真を口にした。山田が菊池との併用でDH起用となれば、下位打線を任されることも考えられる。昨季ヤクルトで4番にも入った男は「打順がどこでも、試合の場面によって変わる。1番だからこうだ、というのはない」と言い切った。

 スタメンにこだわる理由がある。「WBCで一番見せたいのはスピード」。メジャーで活躍する投手でも、クイックやけん制には不安がある。2年連続30盗塁以上を決めた足は、世界一への武器になると確信。「第2クールまでは体をいじめてきた。これからどんどん調子は上がっていく」。打力とスピードで日本ハム大谷の抜けた穴を埋める。【鹿野雄太】