ボクシングの元世界3階級制覇王者の亀田興毅(31=協栄)が9日、5月5日に東京・後楽園ホールで1日限りで現役復帰し、臨む引退試合で対戦する元WBC世界フライ級王者ポンサクレック・ウォンジョンカム(40=タイ)が8日、約4年7カ月ぶりに復帰戦を行い、勝利したことを受けて「たたきつぶす」と宣言した。

 ポンサクレックはタイの首都バンコクで、マノット・コンプット(35=タイ)と同国スーパーバンタム級暫定王座決定戦8回戦を戦い、判定勝ちで王座を獲得した。その試合を見たという亀田興は「ポンサクレックは最盛期時代より上の階級にもかかわらず、8ラウンド戦い抜くどころか完全に試合をコントロールしていた。いきなり決まった試合でタイのスーパーバンタム級のチャンピオンに返り咲いた。引退後もトレーニングは続けていたのだろう」と警戒を強めた。

 その上で「さすがは伝説のチャンピオン。これで5月5日がますます楽しみになってきた。俺も現役時代のピーク超えを果たし、ポンサクレックをたたきつぶすことを改めて宣言したい」と完全KOでの打倒を誓った。

 一方、ポンサクレックは試合後「万全の状態で亀田と日本で試合をするために今回の試合をした。そして、試合は問題なく終わった。試合での動きは硬かったが、スタミナは問題ない。亀田と試合する前に試合が出来て良かった。試合が終わって、今の体調も問題ない。亀田! しっかり練習しておくように! 日本での試合で俺が負けることは絶対にない。それだけは言っておく」と亀田興を挑発した。

 亀田興は日本ボクシングコミッション(JBC)から選手ライセンスの再交付を受けているが、13年8月の試合を最後に引退していたポンサクレックも、8日に復帰戦を行ったため、「最終試合から3年以内」とのライセンス再交付規定を満たした。亀田興が所属する協栄ジムは、近日中にポンサクレックのライセンスを申請予定で、認められれば、JBC公認の試合になるが、9日午前の段階で申請はされていない。