全日本プロレスは12日、都内で記者会見を開催。福田剛紀社長と十枝利樹取締役が、選手として活躍していた長尾一大心(ながお・たいしん)さんがバス接触事故で7日に死去した件について説明をおこなった。
福田社長らの話によると、バス事故は長尾さんが5月31日にバスを誘導していた際に発生。すぐにバスに乗っていた選手たちによって救急車が呼ばれ、長尾さんは横浜市内の病院に緊急搬送された。
長尾さんは腹部圧迫による外傷性ショックのため、集中治療室(ICU)で治療を始め、損傷していた肝臓など、いく度も手術を行ったものの、今月6日の早朝に容体が急変。7日の早朝に敗血症によって亡くなったという。
バスを運転していたのは外部委託の運転手で、現在は警察の事情聴取に応じている。
以下、会見での主な一問一答
-バスの運転手は現在、どのような状況なのか
十枝「詳細を把握しているわけではございませんが、警察署からの報告によると、事情聴取を重ねておりまして、まだ事情聴取そのもの全てが終了していないという状況下にあります。運転手本人は、警察からの呼び出しに対応しているという状況下にございます」
-運転手は外部だがバスは自社バスということで、後方確認装置を含めたバス自体の問題はなかったのか
十枝「そこは定期点検含めて、車検含めて、そういう法的点検、あるいは乗車前の設備点検等は徹底しておりました」
-事故が発生した日に、長尾さんの試合欠場の発表が「ケガのため欠場」となっていた。事故が起きたという発表がなかったのはなぜか
福田「病院で治療をすぐに開始できたものですから、どこまで入院が長引くかと全くわからず、意外と早く回復できるかもしれないと思って、さほど深刻に取られていなかったというのが最初のところの話でございます」
-それは福田社長の判断で「ケガで」という発表になったのか
福田「私独断ではなく、社内での判断でした」
-長尾選手のご家族にはいつ事故を報告し、どのような対応をしているのか
十枝「当日、救急車で病院に搬送され、救急車に一緒に乗っていった選手がいるんですが、その選手から(長尾さんの実家の)釧路のご両親にご報告を申し上げました。関東にご親戚の方がいらっしゃって、まずご親戚の方が病院に到着され、ご両親も当日夜には病院に到着されました。9月10日に火葬の儀をおこなわせていただいて、そこにも全日本プロレスの所属選手、ならびにスタッフも参列させていただいて、お父さま、お母さまの元にご遺骨がお戻りになられた。ご両親とは全日本プロレスの窓口として日々、ご連絡をいただいたり、ご連絡を差し上げたり、させていただいている最中でございます」
-ファンからのメッセージや選手からの声は病床の長尾さん本人には届いていたのか
十枝「(長尾さんは)基本、全身麻酔を受けた中で集中治療室におりました。私も含めて選手、スタッフが6月中旬以降、病院とご両親の許可をいただき、面会をさせていただきました。その時も、タイミングにもよるのですが、いわゆる麻酔を受けて睡眠されている状態、あるいは麻酔を受けていても睡眠していない状態の時があるように分かっていまして。我々の面会の中で、私もよく考えればということですが、我々の問いかけに反応してくれたというふうに(思います)。面会のときには我々だけじゃなくて、必ずご両親が立ち会っておりました。ご両親のお言葉とか、我々の感じを率直にご報告すると、言葉が通じている部分もあるのかなと。私、個人的に言えば、回復する可能性があるなという感じを受けました。それはただあくまでも、私の個人的感想なので」
-選手たちもショックを受けていると思うが、選手たちのメンタルの状況は
十枝「全日本プロレス、今、長尾一大心選手のご逝去に関して、気持ちの、心の整理がまだできておりません。すごく悔しく、つらい思いの中にあります。ただ、私どものつらい思い、悲しみの何百倍、何千倍もご両親はご心痛の中におります。できれば、マスコミの皆様もご理解をいただいて、我々の選手にも、あるいはご両親、ご親族にも、対応をいただければありがたいと感じております」
-運転手は何年、全日本プロレスの運転手を務めていたのか
十枝「全日本プロレスに関しては、約2年弱ぐらいやっております。その他の運転履歴は確認はしておりますが、全日本に関して言うと、ツアーのときも何人か外注させていただけるドライバーの方を登録してあるんですね。その中で2人チョイスして運行してもらいましたから、その中の1人ですので、全ての巡業でその運転手が運転をしていたわけではないんですけども、基本登録の中からそのとき稼働できる運転手をオーダーしているという環境の中の1人です」
-今、説明してもらっている事実だけ見ると、全日本プロレスに直接的な非があるということではないようだが、長尾さんのご両親の感情をどのように考えているか
福田「最初に私からも、このような事故が起きてしまったことは本当に申し訳ないということで、全く我々の責任ではないということではなく、やはり全日本プロレスとしてこのような事故が起きてしまって申し訳ないということはお伝えしました」
-ご両親が全日本に対して法的措置をとるような可能性については
十枝「まだご葬儀の前段階で、まだそういうことにはなりませんが、今後ですね、そういうことも考えられると思います。やっぱり親御さんですから、自分の息子を全日本に預けて、結果、ご逝去をされたわけです。それは、その心情はあると思います。それは皆さん、もしお子さんがいれば、同じような気持ちに絶対になるはずです」
-ここまで情報を小出しにしてきたように感じるが
福田「特に小出しにしたつもりはないんですが、本当に直前まで治ると信じていましたので。これでいつリング復帰できるかなぐらいな感じでおりましたものですから。さほど記者会見を定期的に開く必要も感じておりませんでした」

