豪栄道(30=境川)が稀勢の里(30=田子ノ浦)との大関対決を制して、無敗を守った。

 突き押しで追い込まれたが、左に俵を伝って回避。懐に飛び込んでもろ差しで一気に出ると、おっつけられながらも左手で相手の足を取り、渡し込んで11連勝。「必死でした。(相撲を)取ってるときは、考えてる余裕はない。右を最後に差し勝ったのが良かった。我慢して取ることができた」と、表情を崩すことなく振り返った。

 2人は86年生まれの同学年だが、豪栄道が入門した05年春場所は、中卒入門の稀勢の里はすでに幕内力士だった。「入門前から関取だった力士ですから」と、ライバル心を燃やしながら同じ地位まで昇ってきた。綱とりが話題になる世代の雄を執念で制し、1敗の横綱日馬富士、平幕の遠藤がともに敗れたため2差で単独トップ。稀勢の里もまだ手にしていない賜杯も見えてきたが「まだ4日あるので、明日の一番に集中したい」と気を引き締め直した。