3人が6戦全勝で並んでいた三段目の優勝争いは、7戦全勝の2人による千秋楽の優勝決定戦に持ち越された。

 西79枚目の露草(22=大嶽)は、鳴滝(伊勢ノ海)を激しい突き押しの応酬の末、押し出して全勝をキープ。優勝決定戦に歩を進めた。「相手は速くて動きがいいと聞いていたので、自分も動こうと思いました」と息を切らしながら話した。5月の夏場所でも序二段で優勝決定戦に進んだが、敗れている。雪辱の思いを聞かれると「優勝に対し、それほどこだわりはありません」と話した。番付の昇降を左右するのは、あくまでも本割の成績。気負うことなく“残り1番”に臨む。

 6戦全勝同士による対戦となった1番で、東53枚目の友風(22=尾車)は西14枚目の琴弥山(34=佐渡ケ嶽)を、はたき込みで破り、こちらも7戦全勝とし決定戦に進んだ。押し込まれて俵に足がかかった土俵際での、起死回生の引き技で白星を拾ったが「ちゃんと当たれたし体も反応できた。悪くない引き」とプラスにとらえた。「優勝決定戦もしっかり気持ちを入れていきたい」と友風。日体大を卒業し5月の夏場所が初土俵。初めて番付にしこ名が載った名古屋場所で序ノ口優勝を果たした。先場所も序二段で6勝1敗。川崎市川崎区出身で、小学生時代からピアノを習っていた“異能”力士が、2度目の各段優勝を狙う。