日曜日のヒーロー&ヒロイン

羽田美智子 「カワイイ新入社員」と交わした約束

女優羽田美智子(51)が11日にスタートする、フジテレビ系連続ドラマ「隕石家族」(土曜午後11時40分)で、5年ぶりに連続ドラマに主演する。巨大隕石(いんせき)が近づき地球滅亡まで半年となったところで、家族を捨てて高校時代に憧れた彼のもとへと走る主婦を演じる。5年前に新米だった松崎智宏プロデューサー(29)と約束した通り、その初プロデュース作品でスペクタクルなホームドラマの主役を務める。

咲き誇る桜のように輝きを放つ笑顔を見せる羽田美智子(撮影・浅見桂子)
咲き誇る桜のように輝きを放つ笑顔を見せる羽田美智子(撮影・浅見桂子)

★「使ってね」

17年に亡くなった野際陽子さん(享年81)と羽田がダブル主演したフジテレビ系昼の連続ドラマ「花嫁のれん」。金沢の老舗旅館を舞台に、元キャリアウーマンの嫁(羽田)としゅうとめ(野際)のバトルが人気を呼び、10年から15年まで4シリーズ制作された。

「松崎プロデューサーが最後のシリーズの時に新入社員で入ってきて、かわいいなと思っていました。その時に『プロデューサーになったら使ってね』ってお願いしてたんです。それが初めてのプロデュース作品で声をかけていただいて、ビックリしました。有言実行ですね」

古き良き日本の伝統を描いた「花嫁のれん」は、現在までに世界20カ国以上で放送されている。

「野際さんと一緒にできて、素晴らしい経験をさせてもらった作品。日本の“おもてなし文化”とかを知ってもらうにはとてもいい。再放送が決まったミャンマーで、今年1月に開催された国際ドラマフェスティバルに出席させてもらいました。現地のビルマ語の訳が付いたものを見せていただいたんですけど、野際さんが、そこに生きていらっしゃった」

「隕石家族」は「花嫁-」と同じスタッフで、脚本も同じくNHK大河「天地人」「花燃ゆ」などの小松江里子氏(58)。だが、日本情緒たっぷりの世界とは正反対のSFチックなホームドラマだった。

「もう連ドラの主役をやらせてもらうような年じゃないと思っていたけど、台本を読ませていただいたら、すごく面白い。小松さんやスタッフが作るテーマの温かさ、面白さ、ぶっ飛び具合がすごい。これは、ぜひやらせてもらいたいと思いました」

羽田が演じるのは、地球滅亡の時を知り、高校時代の恋へ走る主婦・門倉久美子。

「人は多分、自分の死期が明確に分かった時、今までの自分の人生に後悔とか反省とかをしつつ、やり残したことはなんだろうかと、絶対に考えると思うんですよね。久美子は自分の初恋、純愛に飛び込んでいくんですよね。分からなくはない、そういう人生もありかもしれない」

夫を演じるのがお笑いコンビ、キャイ~ン天野ひろゆき(50)。

「すごく柔らかい方なんですけど、その中にとってもおとこ気を抱えていらっしゃるんですね。リーダーシップもすごい。いろいろな人の痛みが分かる方で、今回のキャストは本当の家族みたいです」

しゅうとめ役は松原智恵子(75)。

「すてきな品があって、かわいらしくて“ザ・女優”ですよね。立ち居振る舞いが違う。いまでもおきれいな銀幕の世界の女優さん。お着物も似合っていて、みんなが大好きなお婆ちゃんです」

2人の娘のうち、長女を演じるのが泉里香(31)。

「すごい美人なんだけど、ツンデレな役。こびない感じがかわいい。天野さんと私の子で、こんな子は生まれないと思うんだけど、両方のいいとこ取りをしたら、あんな感じになるのかな(笑い)」

北香那(22)が演じる次女には、かつての自身の姿を重ね合わせている。

「すごくはつらつとしていて、なんか私の若い頃を見ている感じ。ああ、いい家族だなぁって思います」

★「今を全力」

88年に日本旅行のキャンペーンガールに選ばれて芸能界入り。モデルから映画「会社物語」で女優デビューした。キャリアは30年以上に及ぶ。

「一生懸命、がむしゃらにやってきたら、月日がたっちゃったっていうだけ。幸せですよね。30年もやらせてもらって」

50代での連続ドラマ主演は、先人たちに導かれた。

「私の場合は、本当に先輩に恵まれてきました。野際さんに、『警視長捜査一課9係』でご一緒した渡瀬恒彦さん。そして『おかしな刑事』で親子の伊東四朗さん。年を重ねるごとに魅力的になる先輩ばかりに囲まれてきました。目標とするすてきな人ばかり。伊東さんなんか、いまだにタフマンのCMをやっていて振り幅が大きい。何事も一生懸命、真剣に取り組んでいる姿を、ずっとそばで見させていただいて、私は恵まれている」

充実の女優業の一方で、昨年はネットのセレクトショップ「羽田甚商店」をオープンした。1865年(慶応元)から続く、宮大工だった茨城・水海道の実家の屋号だ。宮大工から文房具、たばこ、食品を売る「羽田甚商店」へと受け継がれたが、15年に羽田の両親の代で幕を閉じた。それを6代目として復活させた。

「屋号をなくすのは、いつでもできるけど、続けられるものなら続けていきたいという思いがありました。もったいないですもの」

米、野菜、果物、しょうゆ、漬物…羽田自身が見極めたものを、ネットを通じて届ける。

「基本は、忙しい主婦の方に寄り添いたいなと思っています。『私が選んだものは絶対安全、安心なもの』っていうのを確証してからやっている。私を信じてくれてさえいれば、調べる必要はありません。そういう思いを込めています。『羽田甚マークのものは安心、安全ですよ』というイメージを付けていきたい」

先祖への思いから復活させた「羽田甚」の屋号。自ら産地に足を運び、生産者と話し合って選んでいる。

「実際に自分が食べていたり、使っているものだけにしています。知らないけど売っている、というものはなしにしています。何か事故があったら自分自身も、スタッフも傷つくことになる。そこは細心の注意を払っています」

休みの日には、たっぷりと休養を取り、体のメンテナンスや美容のケアに時間をかける。

「いつまで女優を続けるとかは、あまり考えていません。やりたいって言ってても、受け入れてもらえなければやれない仕事」

新人テレビマンがプロデューサーになって、いの一番に指名してくれた主役。

「本当に泣けてきました。感動します」

明日は分からない。だからこそ今、全力で頑張っている。【小谷野俊哉】

▼松崎智宏プロデューサー(29)

14年に東海テレビに入社して、初のドラマの現場が羽田さんと野際陽子さんがダブル主演の「花嫁のれん」でした。修羅場があると思っていましたが、おふたりのおかげで、そんなこともありませんでした。これが初プロデュース作品ですが、いつかプロデューサーをやらせてもらう時は、ぜひ羽田さんに主演をお願いしようと思っていました。1年くらい前から企画を考えていたんですが、ホームドラマは何か1つ変なことが起きたら面白くなる。それが「隕石家族」です。

◆羽田美智子(はだ・みちこ)

1968年(昭43)9月24日、茨城県水海道市(現常総市)生まれ。88年、日本旅行のキャンペーンガールに選ばれ芸能界入り。同年映画「会社物語」で女優デビュー。94年映画「RAMPO」で日本アカデミー賞新人俳優賞。02~06年テレビ朝日系「科学捜査研究所」シリーズ主演。03~16年テレビ朝日系「おかしな刑事」シリーズ主演。06年から「警視庁捜査一課9係」「特捜9」シリーズ。10~15年フジテレビ系「花嫁のれん」主演。163センチ。血液型A。

◆フジテレビ系「隕石家族」

20XX年。巨大隕石が地球に衝突するまであと半年。終末が迫る中、東京・世田谷に住む門倉家の主婦・久美子(羽田)は「あたし、好きな人がいます」と告白して家出。夫の和彦(天野)をはじめ門倉家は大混乱に陥る。

(2020年4月5日本紙掲載)

 
 

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