テレビで見ていた印象と実際に会った印象で大きく変わった人がいる。タレント鈴木紗理奈(40)さんだ。

 個人的にはやんちゃ系キャラのイメージが強かったが、映画「キセキの葉書」完成披露舞台あいさつでそのイメージは完全に一変した。同作で紗理奈さんは映画初主演。難病の娘と認知症の母に挟まれながらもひたむきに生きる主人公原田美幸役を演じている。今年7月、スペインで開催されたマドリード国際映画祭で最優秀外国語映画主演女優賞を受賞したのは記憶に新しい。

 ジャッキー・ウー監督からべた褒めされた紗理奈さんは、恐縮するように照れ笑いを浮かべていた。しかし、締めのあいさつでは号泣となった。MCを務めた新田博邦プロデューサーが「大阪撮影だったけど、紗理奈さんは毎日子どもに会うために東京に帰るんです」と話し始めると様子は一変。新田氏が「僕がうれしかったのは母親が映画を見て喜んでくれたと言ってくれたこと」と話したのちにマイクを受け取った紗理奈さんの目からはすでに涙がこぼれていた。

 離婚しシングルマザーとして活躍する紗理奈さんは母の支えがあって撮影を乗り切れたという。同作のテーマがテーマだけに、気持ち的にシンクロする部分もあったと思うが、大勢のお客さんの前であれだけ泣ける紗理奈さんって、「この人、本当に本音で生きている人なのかも」と感じたのだ。

 マドリード国際映画祭では、受賞が決まった前日にパスポートを紛失したことを監督に暴露された紗理奈さん。「前日にパスポートを無くしたのに、あんなに喜べるんだと思った」と監督から突っ込まれる一幕もあったが、これもやはり素直な人間性を感じさせるエピソードに聞こえた。

 そんな紗理奈さんが熱演する同作をぜひ見てみたいと思ったのだ。