映画「ミナミの帝王」などで知られるこわもて俳優竹内力(55)が、セレブ御用達百貨店の三越伊勢丹ホールディングスとコラボして、日本全国の三越、伊勢丹で「力祭(りきまつり)」を開催することが19日、分かった。

7月10~23日にJR京都伊勢丹、8月7~13日は伊勢丹府中店で「力祭」を開催する。期間中の土、日曜には竹内が店頭に立って、自ら接客。7月13日の京都ではステージで歌やトークを披露する。順次、各地に展開していく。

こわもてとセレブ御用達のまさかの合体に、竹内本人も「俺もなぜかは分からない」と言いながらも「面白い」とノッている。「今はネットショッピングがはやってきて、あまり百貨店に行かないようになってきた。だから、30~60代前半の男性や若者にも呼び掛けるということかな。子供とかはバラエティーのイメージもあると思うけど」と話している。年長者には「ミナミの帝王」を始めとする、こわもて俳優として知られる一方で、若者、子供にはフジテレビ系「スカッとジャパン」の“白目をむくおじさん”などバラエティーでも人気を集めている。

オーダーメードスーツ、Tシャツ、パジャマ、トートバッグ、ハンディ扇風機、スマホケース、プリン、カレーなどの30以上に及ぶコラボグッズの製作に、自ら指揮を執って取り組んでいる。「三越伊勢丹で扱っているブランドを自分で試着したりして、組んでも大丈夫なものだけにOKを出した。1つ、いいかげんなものを許すと、100くらい許すことになっちゃう。そうすると、会社だったらつぶれちゃいますからね。元々、自分で洋服屋もやっていたから、スーツとかは全部、自分でデザインを起こした。俺は大工の息子だから、その職人の血筋だね。もの作りが大好きなんだ」と話している。

俳優だけでなく、自らの会社リキプロジェクトを率いて、映画のプロデューサーとしても活躍している。みずからの出演作品だけではなく「聖の青春」「オケ老人!」「ねことじいちゃん」などを手掛けている。竹内は「自分は役者が先行していない。もの作りが好きということから、キャラクターを作るのが好きなんだよ。(代表作の)『ミナミの帝王』も原作があるけど、そこからはみ出して作っていって認められた。もの作りについては、自分でもある意味、自信を持っている。自信過剰になったらいけないけどね」。

制作サイドとして出資して成功を収めている。「俺からするとデンジャラスじゃないとつまんない。それが遊びにもなってるし、好きなことだからね。まあ、それで飯を食えているんだから、ありがたいものだなと思う」。こわもて俳優の一方で、プロデューサーとして成功を収めていることも、三越伊勢丹からの信頼につながっている。

◆竹内力(たけうち・りき)1964年(昭39)1月4日、大分県生まれ。高校卒業後、銀行勤務を経て俳優を目指して上京。86年、同日公開の映画「彼のオ-トバイ、彼女の島」「キャバレー」で俳優デビュー。映画、ビデオの「難波金融伝・ミナミの帝王」シリーズは、92年から07年にかけて60本制作された。15年シングル「桜のように」で演歌歌手デビュー。180センチ、85キロ。血液型A。

▼三越伊勢丹ホールディングス 1673年(延宝元)に呉服屋「越後屋」として東京・日本橋で創業した三越と、1886年(明19)に「伊勢屋丹治呉服店」として東京・神田で創業した伊勢丹が合併して、08年に持ち株会社として誕生。三越伊勢丹グループとして、日本一の百貨店売上高を誇る。今年3月期決算の売上高は1兆1968億300万円。三越・伊勢丹などの百貨店業、クレジット・金融業、不動産業、その他の事業を展開している。