大手芸能事務所で、舞台制作も数多く手がけるホリプロが、舞台「アクタージュ act-age~銀河鉄道の夜~」のヒロイン夜凪景役の全国リモートオーディションを実施することが5月31日、わかった。

同舞台は、週刊少年ジャンプ(集英社刊)で連載されている人気漫画「アクタージュ act-age」が原作。主人公の夜凪景が役者として見いだされ、芝居に奮闘する様を描くストーリー。22年の舞台化が決定した。同社は新型コロナウイルスの状況を鑑みて、同舞台のヒロイン夜凪景を演じる女優を全国規模で公募し、在宅環境から参加できるリモートオーディションを実施し、次世代を担う女優を発掘する。

オーディションでグランプリに輝くと、声優で歌手の田所あずさ(26)、大橋彩香(25)らが所属するホリプロインターナショナルと専属契約ができ、同役で舞台デビューが確約される。

1次審査はWEB上でのプロフィル書類審査で、2次審査はビデオ審査。3次審査は20年12月以降を予定しているという。

応募資格は20年7月10日時点で満12歳~満17歳の女性。日本語での日常会話が可能(ネーティブレベル)であることなどが条件。

同作は、同社の公演事業部が制作を手がけ、10年『自慢の息子』で第55回岸田國士戯曲賞を受賞し、現代社会をドライ、かつ強烈な美意識で立体化することで熱い支持を集める劇作家・演出家・俳優の松井周氏(47)が脚本と演出を務める。

ホリプロインターナショナルの取締役矢田部行庸氏は「今回のオーディション開催にあたり、現在世界中が直面しております状況を鑑みまして、開催自体を非常に悩みました。しかしながら、自宅にて日々自粛をして閉塞(へいそく)感をもち生活をする中で、少しでも未来に希望を感じて頂きたい、そして我々エンターテインメント業界においてはここで文化や新たな才能を根絶やしにせず、その状況に応じて出来うる方策での開催をと思った次第です」と開催の経緯を説明。

松井氏は「応募者の方には、このオーディションを通してそういう居場所を見つけてほしいし、自分そのままの魅力を発揮してもらいたいです」。「僕は俳優もするのですが、舞台や人前でどう振る舞うかより、ふっと力が抜けた時の『隙』にこそ、その人の姿が見えてくるし、そこが面白いと思っています。自分に才能があるかはわからないけど、演じるのって面白いなと感じている方は、ぜひ挑戦してみて欲しいです」とコメントした。

ホリプロ公演事業部の梶山裕三プロデューサーは「『夜凪景』という役は、ダイヤモンドの原石のような役です。これから女優を目指したいという方にはこれ以上ない最高のデビューになるのではないでしょうか」。続けて「松井周さんは、俳優の些細(ささい)な表情や心情の変化を見逃さない眼力の持ち主です。オーディション応募者の隠れた魅力を見抜き、ダイヤモンドに磨き上げてくれることでしょう。『アクタージュ act-age』を読んで演技に興味が沸いている方全員にチャンスがあるオーディションですので、皆様のご応募お待ちしています」と呼びかけた。

また原作のマツキタツヤ氏は「アクタージュという作品へのこだわりから応募されると、かえってその方自身や舞台そのもののいろんな可能性を狭めてしまいそうですので、俳優として末永く活躍したいと考えてる方の一つの入り口のような作品になることを願ってます」とメッセージを寄せた。