結成15年以内のコンビで争われる漫才日本一決定戦「M-1グランプリ2020」の決勝が20日、東京・六本木のテレビ朝日で行われた。

3年前、初進出した決勝で最下位に終わったマヂカルラブリーが、2度目の決勝でリベンジを果たして優勝、第16代王者となった。史上最多の5081組の頂点に立って、賞金1000万円を獲得した。

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ボケの野田クリスタルと(34)とツッコミの村上(36)。3年前の決勝では、審査員の上沼恵美子(65)に酷評されたコンビが栄冠に輝いた。野田は「最下位を取っても優勝できる。チャンピオンの自覚を持ってやっていく」と涙をにじませた。村上は「本当にうれしい。ネタが老若男女にウケるようになってきた」と笑顔を見せた。

決勝1回戦では「フレンチレストラン」ネタで649点を記録し、首位のおいでやすこがに9点差で2位通過。決定戦ではおいでやすこが、見取り図を相手に、野田がほとんどしゃべらずに転げ回る「つり革」ネタで爆笑をさらった。それぞれ2票の対戦相手を1票上回る3票獲得の僅差で勝利した。

「つり革」ネタは準決勝で大ウケしたネタ。決勝で、どちらのネタを先にやるか悩んだが、村上は「優勝するならフレンチ、つり革の順番しかないと思った」と振り返った。

3年前の決勝では最下位。野田は「もう漫才はできないんじゃないかと思った」。今回、上沼は「よかった。ごめんね、3年前。本当におめでとう!」と祝福。例年、上沼は審査員退任が話題になるが、野田は「辞めないで、恵美ちゃん」とラブコールを送った。

野田は今年3月のR-1ぐらんぷり優勝に次ぐ、初の同年2冠制覇。野田は「これで終わりじゃない。僕は史上初の3冠を目指します。キングオブコントを狙います」と宣言。村上が「ちょっと休んでいいかな」と聞くと、野田は「俺は止まらない」と言い切った。

◆マヂカルラブリー 吉本興業所属。野田クリスタル(1986年11月28日、神奈川県生まれ)と村上(1984年10月15日、愛知県生まれ)のコンビ。07年結成。M-1は10度目の挑戦で、17年以来3年ぶり2度目の決勝進出。野田は「R-1ぐらんぷり2020」王者。