のん(28)が10日、岩手県久慈市の情報交流センターYOMUNOSUで行われ、オンラインでも配信された「久慈市×のん NFT アート贈呈式」で、第2の故郷と公言する同市に絵画「王様のマント」を寄贈した。

のんにとって、主演した13年のNHK連続テレビ小説「あまちゃん」の舞台となった久慈市は「朝ドラのロケで住んでいるように撮影し、のんになっても来させていただいた。第2の故郷」といえる場所だ。「今日も来られてうれしい。やっぱりいいですね。行けていないなと思っていたので、来られて喜びでいっぱいです」と笑みを浮かべた。

「王様のマント」は、のんが21年3月にYOMUNOSUに、本を読む女性を描いた絵画「よむのむし」を寄贈したのに続き、久慈市のために描いた2作目の作品で、久慈市で発掘された恐竜パロニコドンを描いた。のんは「久慈で発見された恐竜を描きました。恐竜が好きというのも、すごくあるんですけど、久慈は発掘されることがたくさんあるので、ニュースを見た時、いいな、いいなと思った。絶対にこれを描きたいと思い、恐竜を描きました」と説明。描かれた恐竜は王冠をかぶり、リボンとマントを着けている。

執筆で苦労した点について聞かれると「いつもより、時間がかかりましたね。最初に書いた色を変えたり、徹夜をして仕上げました。気合入れて書きました」と胸を張った。その上で「凶暴なものとかわいいもの、2つの魅力がぶつかっている時に生まれるパワーがすごく好き。凶暴な牙が生えた生きものがリボンをまとっている、不思議な魅力があり、自分の中でも、いい絵になったと思う。かわいくしたいというのと、強く見せたい…かわいいもので強く見せるのが私の好きな表現。恐竜にも、そういうマントを着せました」と熱っぽくコンセプトを語った。

作品は、アートや音楽、コレクターズアイテムなど、唯一無二かつ代替不可能なデジタル資産に、ブロックチェーン上で所有証明書を記録し、固有の価値を持たせたNFTとしても300分割、販売される。その収益を、久慈市に寄付すると発表した。のんは「新しいものに挑戦するのと、大事な町に関われるのでうれしいです」と喜び、遠藤譲一久慈市長も「寄贈もいただける、ご寄付もいただける。いつも久慈を気にかけていただいている」と感謝した。

のんは女優とともに創作あーちすとして活動している。式の冒頭で司会から表記を平仮名にした意図を聞かれると「カタカナにしてしまうと、ちょっと格好つけている感じ、求められることが大きくなってしまって、自分で自由に出来なくなる感じがしたので、自由に面白おかしくするように、平仮名にしました」と説明し、笑みを浮かべた。そして、久慈市に対して「いつも温かく迎えていただいている。一緒に歩んでいきたい」と誓った。