5月にフランスで開催された世界3大映画祭の1つ、第78回カンヌ映画祭に併設して開催された監督週間に出品された、黒崎煌代(23)の初主演映画「見はらし世代」(団塚唯我監督、10月10日公開)ジャパンプレミアが2日、東京・Bunkamuraル・シネマ渋谷宮下で行われた。壇上で、遠藤憲一(64)と井川遥(49)が、日本人最年少の26歳で同部門に出品された、団塚唯我監督(27)の才能を絶賛した。また遠藤は、作品タイトルにちなみ、自分は何世代か? と聞かれると「バブル世代」と即答。「でも、住んでいたのは木造の4畳半。何がバブルかも分かんないまま終わった」と笑った。
「見はらし世代」はフランス監督協会が主催するカンヌ映画祭の独立部門、。同部門には、興行収入(興収)110億円を突破した「国宝」(李相日監督)も出品されていたが、カンヌでは同映画祭からの招待を受け、黒崎と団塚監督、黒崎が演じた主人公蓮の姉恵美を演じた木竜麻生(31)がレッドカーペットを歩くなど、同監督が脚本も手がけたオリジナル&初長編作品である「見はらし世代」の評価は現地で高かった。
遠藤は黒崎が演じた蓮の父初、井川は連が幼い頃に亡くした母由美子を演じた。遠藤は「こんな、若い監督とやったことがない。この人、監督か? と思ったらプロデューサーで、1番、下っ端かと思ったら監督」と笑いながら団塚監督との出会いを振り返った。その上で「DVDで(団塚監督の)短編を見て、世界に驚いた。どういう演出するのかな? と思ったら的確すぎて。現場で、ああしたい、こうしたいというタイプなんだけど、今回は監督の言うことを全部、聞いた。なぜか、鋭い…」と、その演出ぶりを絶賛した。
さらに「直接、言いづらい空気も醸し出す。年上の、うちらが右往左往する、すばらしい監督です」と、同監督の底知れぬ才能を大絶賛した。井川も「せりふは短いものが多いけれど、関係性が分かる、鋭い(脚本)。やるたびに、シーンの思いが、思いも寄らないところに行く。なぜ、こんなに分かるのだろうと。すごくシャイで繊細だけど、切り取るものは鋭い」と賛辞を重ねた。
黒崎は、映画デビュー作で原点と位置付ける、23年の「さよなら ほやマン」(庄司輝秋監督)の撮影現場で、団塚監督と出会った。「別の映画で知り合った3年前に(今作の)話をもらった。そのところから離れたくないなと、あえて作り込まなかった。家族の話の中で切り取られているだけで、主演だから何かしたわけではない。皆さんに助けられて過ごしました」と団塚監督との出会いを振り返った。そして、自身は「見はらし世代です」と答えた。
団塚監督は「23歳で台本を書き始め、知らないことも多かった。自分が長くいたコミュニティーの家族で映画を作ってみようと思った。変わっていく東京もテーマ…変わっていく街の違和感、家族への違和感も重なっていく感じがあった瞬間、脚本にできそうだと思い進んでいった」と作品作りを振り返った。
この日は菊池亜希子(43)と中山慎悟(27)も登壇。
◆「見はらし世代」 蓮(黒崎煌代)は母由美子(井川遥)を亡くしたことを契機に、ランドスケープデザイナーの父初(遠藤憲一)とすっかり疎遠になった。成長し、再開発が進む東京・渋谷で胡蝶蘭の配送運転手として働いていたある日、配達中に初と再会。そのことを話すも、我関せずといった様子で黙々と自分の結婚の準備を進める姉恵美…そんな状態の中で、蓮が家族の距離を測り直そうとする。



