歌手で芸人のタブレット純(51)が22日、東京・浅草公会堂で「タブレット純 リサイタル2026」を開催した。
ムード歌謡グループ和田弘とマヒナスターズの元ボーカルで、解散後は「ムード歌謡漫談」という新ジャンルを確立した。
中性的な容姿でか細い語り口調だが、歌声は低音というギャップで、観客を独特の世界に導く。その魅力で会場は満席となった。
リサイタルは「人生一路」(美空ひばり)でスタート。3曲目のラテンの名曲「ベサメ・ムーチョ」では、演奏を開始早々にストップ。「本番3分前に(衣装の)ウエストが入らないのに気づいて…」と釈明して、会場を笑わせた。
「ハイそれまでヨ」などハナ肇とクレージーキャッツのメドレーでは、得意のものまねで植木等さん風に歌い会場を沸かせた。
曲の合間のMCでも、藤田まことさん、永六輔さん、伊東四朗ら数々のものまねを披露して、会場を爆笑の渦に包んだ。
サプライズは2部の開始早々、沢田研二(77)のヒット曲を歌うコーナーだった。
元沢田研二バンドの女性ドラマーGRACE(グレイス)がスペシャルゲストとして登場。迫力満点のドラム演奏をバックに、沢田の「憎みきれないろくでなし」「勝手にしやがれ」を熱唱した。
グレイスがメンバーの女性バンド、デカダンスケバンドに、タブレット純が参加して親交を深めた。
ゲスト出演を快諾したグレイスは「何かに特化する才能を持っている方。声はもちろん、秘めたパッション(情熱)が素晴らしい」と評した。
会場には沢田の愛称「ジュリー」ならぬ、「タビー」(タブレット純のアイドルコール)が響き渡った。
ピンク・レディーの「UFO」と「ペッパー警部」では、キラキラの衣装で歌い踊った。
会場には歌手イルカ、天地真理、エッセイスト阿川佐和子、タレント大竹まこと、毒蝮三太夫らの花が飾られた。ラジオなどで共演して親しくなった。
リサイタルでは小椋佳から提供された「恋の誘い」。加藤登紀子からの「母よ」を披露した。
幅広い交友関係に、本人は「(私のことを)心配になってくださっているのではないでしょうか」と恐縮して話した。
アンコールではタブレット純が書き下ろした「佐竹音頭」を初披露した。
東京・台東の佐竹商店街は、明治時代にできた日本で2番目に古い商店街と言われている。
ちなみに最古は金沢市の片町商店街と言われる。
約40年ぶりに佐竹商店街で盆踊りが復活することになり、下町好きで知られるタブレット純が新しい盆踊り曲を手がけた。
「さあ、タケ(佐竹)、タケ、タケ…」と歌う、これぞ音頭の軽快な曲調。
7月18日に開催される「佐竹商店街夏まつり サタケオドリ」の盆踊りで、タブレット純も参加し生演奏で披露される。
タブレット純は「ぜひ盛り上がっていただければ」と願った。
3時間近いリサイタルを完走したタブレットは、美輪明宏のものまねで「人間が幸せに生きる方法は、とにかくひたすら感謝すること。1人では幸せになれないのが人生」と、観客に話しかけた。
そして「これからも一緒に楽しんでいただけたらと思います。来年もお付き合いください」と願うと、万雷の拍手が起きた。【笹森文彦】



