思わず心の声が漏れてしまった。「カッコいい…」。芸能記者歴わずか半年ではあるが、人気や話題の女性アイドル、女優を見ても「キレイ」や「カワイイ」と、心の声を漏らしたことは1度もなかった。それが俳優山下智久(41)が、決めポーズをつくった瞬間、無意識のうちに「カッコいい…」と、つぶやくと同時に、そんな自分の言動に驚いてしまった。
山下とは初対面だったが、いきなりカッコ良かった。今月15日、場所は都内の船着き場に停泊中の豪華客船内。その日は山下が、抽選で選ばれたファンクラブ会員約300人をランチクルーズに無料招待していた。仕事の合間を縫って、ファンが下船する前に船に乗り込み、サプライズで1部屋ずつあいさつして回った。なんなら、初対面する前から振る舞いがカッコ良すぎた。「いきなりカッコ良かった」「カッコ良すぎた」などと、記事で書いたのも初めてだ。こうして振り返ると「カッコいい…」と、声を漏らすのも当然だったのかもしれない。
ひとしきりファンとの交流を終え、船内の一室に集まっていた、10人程度の報道陣の前に「よろしくお願いします!」と、満面の笑みを伴って現れた。ファンを豪華客船のランチクルーズに招待する今回の企画は、デビュー30周年記念のイベントで自ら発案、企画した。山下は「いい意味でグッドサプライズをお届けできたんじゃないかな。30年は大きな節目。いい思い出をプレゼントできたかな」と、ファンが楽しんだことを喜んだ。
9月には神戸で約600人を無料招待しており、合計で約900人の船旅にかかった費用は、全て山下が負担した。「自腹です」と豪快に笑い飛ばしたかと思えば「自分の車を買うよりは、みんなにプレゼントしようという気持ち。超いい外車よりも高いと思います」と、ヒントを出して楽しんだ様子だった。約900人を食事付きで招待し、計3度のクルーズイベントは全て貸し切り。少なく見積もっても、1000万円は超える見通し。報道では「1000万円超」と、間違いがないようにセーフティーに表現したが、リアルに予想するなら3000万円前後ではないかと勝手に思っている。いずれにしても、なかなかできることではない。
そんなファンへの感謝にあふれた言葉を取材で聞いた直後に、写真撮影のため、海をバックに船内の一室でポーズをつくった。自然な感じで座っているだけなのに“絵になる”こと、この上ない。そんな時に、思わず「カッコいい…」と、心の声が漏れてしまった。
ただ“山下劇場”は終わらない。あまりにフランクに報道陣に接していたこともあり、今年3月いっぱいまで自分が担当していた、大相撲やゴルフの取材時と同じような感覚になっていたのかもしれない。本人に直談判して、船をバックに屋外でも写真を撮りたいと希望を伝えると、山下は「もちろん、いいですよ!」と即答。船をバックにしても、やはり“絵になる”男だった。
そこでひとしきり取材は終わり、山下はスタッフが運転する車に乗り込んだ。最初は向かって左側にいた、現場に残って後片付けなどするスタッフに向かい、あいさつしているうちに発車。右側にいた報道陣が後方に置き去りになった形となり、山下は窓を全開にして、やや身を乗り出すようにして後ろ向きに顔を出して「ありがとうございました! お疲れさまでしたっ!!」と、大声で律義にあいさつ。その場にいた報道陣全員をとりこにするスター性に、大部分が男性だった報道陣が口々に「カッコいい…」。心の声が漏れていたのは自分だけではなく、どこかホッとした気持ちになった。【高田文太】



