千葉県松戸市のベトナム国籍の小学3年生レェ・ティ・ニャット・リンさん(当時9)が殺害された事件で、強制わいせつ致死、殺人などの罪に問われた渋谷恭正被告(47)の裁判員裁判第3回公判が6日、千葉地裁(野原俊郎裁判長)で開かれ、鑑識課の捜査員3人が証人として出廷した。検察側が、渋谷被告がリンさんの拘束に使ったと主張する、SM用手足錠の形状や機能が明らかになった。県警鑑識課の捜査員は、手足錠が、金属製の重い手錠4つが鎖でつながった形状だったと証言した。

 検察側尋問で捜査員は、遺体の手足に圧迫跡があり、手足錠を見て「手錠の内側にDNAが残っていないか」と考え、試料採取したと証言。検察側は手足錠からリンさんと渋谷被告のDNA型の混合DNA型が検出されたとしている。

 無罪を主張する弁護側は、手足錠の手錠と警察の手錠の違いを質問。捜査員は「警察の手錠は鍵で解錠するが、(手足錠は)スイッチを押すと開く構造」と証言。手足錠には鍵がなかったことが判明した。

 では、誰でも簡単に外せたのか。裁判員が「(証拠写真を)見る限り、4つの手錠のうち3つはスイッチが分からない」と問うと、捜査員は「知らないと開けられないと思う」とした。【清水優】