将棋の藤井聡太叡王(竜王・王位・王将・棋聖=19)が出口若武六段(27)の挑戦を受ける、第7期叡王戦5番勝負第2局(主催・不二家、日本将棋連盟)が15日、名古屋市「名古屋東急ホテル」で行われ、藤井が出口に千日手指し直しの激戦の末、勝利した。藤井は開幕2連勝、2連覇へあと1勝とした。

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藤井叡王の先手2一角が成立して、形勢が傾きました。出口さんは「耐えられるだろう」と思って指していた感じですが、頑張るなら後手2三金と上がり、先手2六飛に後手2四歩と粘る順があったと思います。

その後の先手4四金(37手目)がハイライトシーン。後手7四飛と下げ、先手4三馬後手5一玉先手5三金後手8六角先手7七銀に後手5三角と引いて金を取り、先手同馬後手5二金打とすれば抵抗力があったはずです。次の後手8六飛(38手目)が敗着でした。

終盤も後手3九飛(56手目)に対し、先手4九金とはじき飛ばし、後手1九飛成に先手2九歩。丁寧な受けで自玉を安全にしてから寄せに転じるあたり、盤石な試合運びでした。

叡王戦は5番勝負の短期決戦ですし、連勝は大きいです。挑戦者の読みを上回る戦いぶり、指し回しを見る限り、限りなく防衛に近づいているのではないでしょうか。

 

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