先週、ショートメールで入院生活を報告してきたのは、馬券仲間で穴党専科の先輩M氏(70代)。「無念のリタイアだ。●がんになって現在入院中。来月から無収入になっちまったよ。とほほほ」。

ここ数年、日給1万円の万引Gメンとして馬券代を稼いできたM氏。猛暑のローカル競馬は絶好調で「夏だけで3回、10万馬券をとったよ。馬券はローリスク・ハイリターンに限るな。がははは」と高笑いしていた男が、まさかの緊急入院だ。

「来週、2回目の抗がん剤治療が始まる予定。その後はまだ見えないけど、3回目の抗がん剤治療なら12月上旬から。手術なら12月の2~3週目になるだろう。年内は病院生活。暮れの中山に行けないのが残念だ」。

96年エリザベス女王杯を制したダンスパートナー(15番)、奥がヒシアマゾン
96年エリザベス女王杯を制したダンスパートナー(15番)、奥がヒシアマゾン

穴党M氏で思い出すのは、めずらしく本命筋に大金をぶち込んだ96年エリザベス女王杯(写真)。ちょうど桜花賞、オークスに続く牝馬3冠最終戦から、世代を超えた牝馬の頂上決戦にリニューアルされたその年に、M氏は大口勝負を敢行。確か20万円前後の手持ちをヒシアマゾンからダンスパートナー、フェアダンス、ホクトベガの人気筋馬連3点に流し、某ウインズで「取った!」と万歳三唱も、ヒシアマゾンの降着(2位入線も7着降着)で、ひざから崩れ落ちたシーンは今も笑える(失礼)。

96年エリザベス女王杯を制したダンスパートナー(左)
96年エリザベス女王杯を制したダンスパートナー(左)

あれから29年。M氏は後期高齢を前に、今年のエリザベス女王杯は病院でテレビ観戦。調子の悪い日も少なくないはずだが、「入院中だって予想と馬券くらい楽しめるからな。まあ、それが今の俺のモチベーションだよ」。病室か待合室かは知らないが、テレビ画面の前で喜怒哀楽を爆発させているシーンが目に浮かぶ。

「会話ができるようになったらメールするよ」とM氏。その時は見舞いに行くが、見舞金だけじゃ芸がない。ここはアタリ馬券を見舞い袋に忍ばせ、M氏に闘病の活力を! エール馬券はレガレイラの単。3歳で有馬記念を制した実力馬が勝負気配なら負けるわけないっしょ(個人の感想です)。