春の香港競馬が馬券発売レースの対象となったのは2017年でした。当初はクイーン・エリザベス2世カップのひとつだけでしたが、19年には短距離のチェアマンズスプリントが加わり、昨年からはチャンピオンズマイルを加えた3つのレースの馬券が発売されるようになりました(20年と22年はコロナ禍によって日本馬の参戦なく、馬券発売も中止)。

今年は4月27日(日)の日本時間15時50分発走予定のG1チェアマンズスプリントプライズ(芝1200メートル)を皮切りに、同17時発走予定のG1チャンピオンズマイル(芝1600メートル)、同17時40分発走予定のG1クイーンエリザベス2世カップ(芝2000メートル)まで3つの競走の馬券発売が実施されます。

【チェアマンズスプリントプライズ】

昨年のチェアマンズスプリントプライズは地元勢が上位独占。勝ったのは4番人気のインビンシブルセージで、日本のサンライズロナウドとマッドクールはブービーとしんがりに終わりました。

今年は11頭で争われます。注目は香港短距離3冠(香港スピードシリーズ)に王手をかけるカーインライジング(セン4、父シャムエクスプレス、D・ヘイズ厩舎)に集まっています。現在、11連勝中。スピードの絶対値の違いから、他の追随を許さない状況にあって地元にライバルは見当たりません。

日本馬はG1高松宮記念の制覇で、ひと皮むけた印象のあるサトノレーヴを筆頭にルガル、エイシンフェンサー、ダノンマッキンリーの4頭が挑戦。カーインライジングが3冠を達成すれば、一昨年のラッキースワイネスに続く史上2頭目の快挙。3冠ボーナスは500万香港ドル(約9400万円)です。

【チャンピオンズマイル】

ワンターンで勝負を決するチャンピオンズマイル。昨年は断然の人気を集めたゴールデンシックスティが4着に敗れる波乱。4番人気のビューティーエターナルが勝って、2着に10番人気のレッドライオン、3着に3番人気のヴォイッジバブルが続いて、先行した3頭で決着。馬単は4万8570円、3連単は26万6310円の大荒れとなりました。

今年は出走13頭の半分くらいにチャンスがありそうな混戦模様です。日本からは安田記念4着が光るガイアフォースが単騎参戦。逆転を狙っています。格ではオーストラリアで9つのG1を制しているミスターブライトサイドや、香港で4つのG1を制すヴォイッジバブルが上位ですが、前者はこれが初の海外遠征、後者も(香港3冠のかかる)5月のG1チャンピオンズ&チャターカップ(芝2400メートル)に向かう途中の一戦とあって、全幅の信頼は置けません。前年の覇者ビューティーエターナル、前哨戦のG2チェアマンズトロフィー2着から臨むギャラクシーパッチ、それに香港ダービー(2着)で大外をぶっ飛んできたマイウイッシュなど伏兵候補からも目が離せません。

【クイーンエリザベス2世カップ】

メインとなるクイーンエリザベス2世カップは登録したドバイオナーなど3頭が回避を決めたため、11頭立てになる模様です。

昨年は1番人気のロマンチックウォリアーが勝って、2番人気のプログノーシス2着で順当決着。3着に6番人気だったノースブリッジが頑張りました。

今年は出走馬の内、5頭がG1ウイナー。これにプログノーシス、前哨戦に勝って臨む地元のストレートアーロン、香港ダービー優勝からチャレンジするキャップフェラなどが加わってレベルの高い一戦になりそうです。

人気はレーティング(トップの126)で群を抜いているゴリアットに集まりそうですが、ここはジャパンカップ以来の実戦とあって、幾分かの割引が必要かもしれません。ならば、目の上のたんこぶのロマンチックウォリアーがいなくなったプログノーシス、ワンパンチを欠くものの手堅い競馬をするタスティエーラ、それにドバイでの敗戦で人気を落としそうなリバティアイランドの日本馬トリオに目が向きます。この他にもニュージーランドでG1・3勝のエルヴェンセドール、前述のストレートアーロン、キャップフェラなども争覇圏内に収められそうです。(ターフライター奥野庸介)

※競走成績などは2025年4月18日現在