“府中の天才”が真価を発揮した。横山武史騎手(26=鈴木伸)騎乗の2番人気コスタノヴァ(牡5、木村)が直線で抜け出し4馬身差圧勝。重賞初制覇を飾った。
前走から5カ月間が空いていたが全く苦にせず、これで東京ダートの戦績を5戦無敗とした。
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1頭だけ、次元が違った。極寒の府中でコスタノヴァのムキムキボディが躍る。スタート直後に隣枠の馬の落馬があろうが、5カ月ぶりのレースだろうが、初騎乗の騎手とのレースになろうが、敗北を知らない舞台では何事にも動じることはなかった。課題だった発馬もすんなり決めると、中団でじっくりと脚をためる。直線では馬場の真ん中から“ここは俺の庭”と言わんばかりに堂々と突き抜け、東京ダートの無敗記録をさらに伸ばした。
若き名手も驚きのレベルだった。「レースを見てきていい馬だと思っていたが、乗ってみたら最後の伸び脚を含め、想像以上にいい馬だった」とレースで初コンタクトとなった横山武騎手は、賛辞を惜しまなかった。そして「ルメールさんがここまで作り上げてきた馬。それを壊さずに走れてよかった」と上位人気に応える勝利にもなり、ほっとした表情を浮かべた。
この圧勝劇にも余韻に浸らず、天才は歩を進める。昨秋は武蔵野Sを予定していたが、目の外傷で回避したことについて木村師は「関係者に迷惑をかけてしまった」と振り返る。そして「現状でも脚元はまだ固まってない。こういう勝ち方ができてうれしいですが…」と馬の状態としっかり向き合うため、今後の明言を避けた。
しかし「レース前はエネルギーを出してくれるし、終わったらオフになる。すごい馬だなと」と師も高い評価をする1頭だ。この先府中の天才は我々にどんな景色を見せてくれるのか、新星の今後が楽しみでならない。【深田雄智】
◆コスタノヴァ ▽父 ロードカナロア▽母 カラフルブラッサム(ハーツクライ)▽牡5▽馬主 吉田勝己▽調教師 木村哲也(美浦)▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽戦績 9戦6勝(うち地方1戦0勝)▽総獲得賞金 1億1732万1000円▽馬名の由来 ポルトガル北部のリゾート地

