準決の地元勢は、どれも見応えあるレースだった。10Rの栗山和樹はまくり不発だったが、しっかり位置は取る姿勢が評価できた。11Rの岩井芯も見事だった。突っ張る桜井祐太郎を強引にたたき、福田稔希のカマシを合わせる踏み込み。福田が聖二を通り過ぎた後のヨコの動きが、岩井をよみがえらせた。MVPは聖二だったと言える。その時点で聖二は「12ハァハァ(限界は10ハァハァ)」。2着キープは、やった方だろう。対して、福田に先手を取られた後の岩井は、諦めずに踏んだことが番手につながった。入ってすぐに2角まくり。今後ライバルになるであろう福田を力でねじ伏せた形だ。ちなみに、番手に入った時はまだ「5ハァハァ」だったらしい。
ここから、いつもの劇場が始まった。「アゴなら俺が差してた」から始まり、「明日は『よいしょ!』に変わる新作のキャッチコピーを用意しています。な、岩井!」と声をかける。ちなみに新作は周りにも言っているようで当然、岩井も知っているものだと思い話を振る。すると「新作? なんすか?」と全く分からないリアクションだった。私は「みんなが聖二を見ているわけやないんやで」とフォローして、その日の劇場は幕を閉じた。
4月の岐阜F1では位置にこだわり準決で敗退。その反省を生かしたかのように、先月の松阪G3は完全優勝を飾る。強い選手は同じ失敗をしない。その意味で、岩井はクレバーな選手だ。層が厚い北日本勢を仕留めるには、早めの仕掛けは必須だ。(日刊スポーツ評論家)























