日本代表なでしこジャパンは伝統のクリーンファイトで快進撃を続けている。FIFA女子ワールドカップ(W杯)オーストラリア・ニュージーランド大会で2大会ぶりに8強進出。1次リーグで敗退したチームを含め全32チームで唯一、警告と退場がない。
今大会はイングランド代表MFジェームズが決勝トーナメント1回戦のナイジェリア戦で相手選手を踏みつけるなどラフプレーも目立つ。VARの導入もあって、そうした悪質で危険なプレーは見逃されることがなくなった。
そんな中でも、なでしこジャパンはカードを1枚も受けることなく、ファウルも4試合で計20回。1試合平均5・0回は出場32チーム中、最も少なくなっている。優勝した11年ドイツ大会はフェアプレー賞を受賞したが、今大会もこのままなら受賞することになりそうだ。
11年大会でさえ、6試合で警告が5枚あり、退場が1あった。当時はショートパスをベースとしたパスサッカーでボールを前に進め、平均保持率は57%。全6試合で相手を上回った。1試合90分換算のファウル数は8・3回で、被ファウル数も少なく、フィジカルで劣る小柄ななでしこは相手にふれない、ふれさせないという「アンタッチャブルサッカー」で世界の頂点に立った。
今大会のここまでのなでしこジャパンはボール保持率21%で勝った1次リーグ最終スペイン戦に象徴されるように、守備の時間は12年前と比べて長くなっている。それでも連動して相手ボールをノーファウルで奪い返し、そこからMF宮沢ひなた(23=マイナビ仙台)らのスピードを生かして逆襲速攻。決勝トーナメント1回戦のノルウェー戦ではボール保持率で相手を14ポイント上回るなど、戦いの幅の広さも見せている。戦い方は初優勝時と少し異なるかもしれないが、フェアプレーの精神は今も変わらない。【石川秀和】




