ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(35=ユベントス)が、欧州ネーションズリーグで代表通算100得点をマークしたのは記憶に新しい。9月8日のスウェーデン戦で2得点を挙げて101得点まで伸ばし、世界最多となる元イラン代表アリ・ダエイの通算109得点へ、あと8得点に迫った。通算ゴールの「歴史」に迫る記録は他にもある。次のターゲットは「ペレ超え」になりそうだ。

「サッカーの王様」がペレがマークした公式戦通算767ゴールに対し、ロナウドは昨季までに737ゴールを奪取。今回のスウェーデン戦で2得点を積み上げて739得点とし、あと28得点差に迫った。ユベントスでは、セリエAの50ゴール到達までも61試合で成し遂げたロナウド。昨季も国内リーグで31得点をマークしており、新シーズンでの「ペレ超え」は十分に可能な数字となりそうだ。

ペレは1363試合で1286ゴールを挙げているという記録もあるが、うち519ゴールは公式戦ではないとされる。生涯通算ゴールについては諸説あり、元オーストリア代表FWジョセフ・ビヒャンが805得点で最高とされ、2位は元ブラジル代表FWロマーリオの772得点でペレの767得点は3位とも言われる。

一方、英紙サンはRSSSF(サッカーの統計情報を収集するアマチュア国際組織)の公式戦記録を基準にしており、同データによるとビヒャンは636得点で7位、ロマーリオは734得点で3位。そして2位がロナウド、1位がペレとしているため、同紙は「2年以内にペレ超え、通算世界最多得点を更新するのではないか」と伝えた。

さらに同紙は、ロナウドが40歳まで現役を続けると発言したことを引用し「ファンは最終的に800ゴール到達を期待するだろう」とも。大きな故障なく、コンスタントに試合出場すれば十分に到達可能だろう。 ロナウドは代表通算100得点通過後、ポルトガル代表メンバーとの集合写真をインスタグラムに投稿した。「この歴史的な節目ゴールを達成するまでに私をサポートしてくれた代表のすべてのチームメート、監督やコーチ陣、スタッフに感謝したい」とつづった。ゴールは決して1人の力で生まれることはない。その謙虚な思いを持ち続ける限り、ロナウドはゴールを重ねていくに違いない。【藤中栄二】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「現場発」)

◆藤中栄二(ふじなか・えいじ)1970年(昭45)9月3日、長野・上田市生まれ。93年に入社し、サッカー、五輪、バトル、ゴルフなどを担当。20年1月から3度目のサッカー担当復帰。