日本が、MF南野拓実(23=ザルツブルク)の国際Aマッチ初弾からの3試合連続ゴールを含む2発などで、国際サッカー連盟(FIFA)ランク5位の強豪ウルグアイとの激しい撃ち合いを制した。ワールドカップ(W杯)ロシア大会後、代表に初招集されたFW大迫勇也(28=ブレーメン)のゴール、さらにMF堂安律(20=フローニンゲン)のA代表初ゴールも飛び出し、森保一監督(50)が目標に掲げる、世代間の融合が明確な形を示した。

前半10分、世代間の融合を図る森保ジャパンを象徴する若き2人が、スペインリーグを代表するDFディエゴ・ゴディン(32=Aマドリード)らを擁する、ウルグアイ守備陣を一瞬にして無力化した。南野は、MF中島翔哉(24)からの速く強い縦パスを受けると、すかさず左にターンし、ドリブルで迫るDF3人をかわしてシュートコースを作ると、右足を振り切った。シュートはDF長友佑都(32)のガラタサライの同僚GKムスレラに当たり、ゴールに吸い込まれた。

同17分には、GK東口順昭(32=ガンバ大阪)がビッグセーブで日本を救った。左CKを合わせたゴディンのヘッドを、渾身(こんしん)のパンチングではじき出した。

前半28分、森保ジャパンが3戦目で初失点した。左からのFKをファーサイドから頭で折り返されると、フリーで待ち構えたFWガストン・ペレイロに押し込まれ追いつかれた

それでも森保ジャパンは一歩も引かない。中島、南野、大迫を中心に前線でボールをつなぎ、回し、仕掛け続け、世界5位のウルグアイを恐れることなく、攻め続けた。そして前半36分、日本が追加点を挙げた。中島が中央から右足で強烈なシュートを放ち、GKムスレラが弾いたこぼれ球を、大迫が右足で押し込んだ。大迫は次の瞬間、右拳を握り締めてほえた。

後半に入り、ウルグアイが激しい攻勢を仕掛けてきた。森保一監督(50)が前日15日の会見で「サッカーの基本である、球際が強いチーム。W杯から大幅の変更がない。厳しい戦いになる」と評した言葉が現実のものとなった。6分、右からの浮き球の折り返しに、FWエディソン・カバニ(31=パリ・サンジェルマン)に飛び込まれた。DF吉田麻也(30=サウサンプトン)が競り合い、CKに逃げたが、決め損ねたカバニは、拳でピッチを殴った。

ウルグアイの執念と日本の一瞬のミスが、後半12分、ウルグアイの同点ゴールにつながる。DF三浦弦太(23=ガンバ大阪)が、GK東口に出した不用意に出したバックパスをカバニに奪われると、東口もかわされてゴールに押し込まれた。

それでも、森保ジャパンは攻め続けた。後半14分、堂安律が右サイドでウルグアイのパスをカットすると、DF酒井宏樹(28=マルセイユ)とのワンツーから抜けだし、左足でゴール左に決めた。

さらに後半21分、相手DFがボールを譲り合うところに堂安が寄せてボールを奪い、そのまま左足でシュート。GKが弾いたこぼれ球を、南野が右足ボレーでゴール左にたたき込み、この日2点目を決めた。

ウルグアイも、そのままでは終わらなかった。後半30分、右後方からのロングパスを受けた、FWホナタン・ロドリゲスがゴール右隅に決めて1点差に詰め寄った。

森保監督が4日のメンバー発表会見で語った「私が監督になって2試合目のA代表の試合なので、チーム作りを進め、成長し、戦術を浸透する。選手が入れ替わったのでコンディション、融合をチェックする。戦術浸透とチームとしてどう機能するかを見たい」と語った言葉を、ウルグアイ相手に体現した。

森保監督は試合後に「選手たちが今回のキリンチャレンジカップ招集から練習からウルグアイ戦とチームやろうとすることチームのみんなで共有して続けてくれたことが良かったと思います。今後に向けてチームは大きな自信になったと思う。しかしながらアジアカップはまた戦いは違ってくると思う。チームが前進できるように、成長できるように気を引き締めて次につなげたいと思います」と振り返った。この勝利で日本人監督が世界のトップ5のチームから初めて勝利を挙げた。