今度こそ代表戦初出場を果たす。J1ベガルタ仙台のGKシュミット・ダニエル(26)が7日、3度目となる日本代表メンバーに選出された。これまで2度の招集も出場機会がなかっただけに、16日のベネズエラ戦(大銀ド)、20日のキルギス戦(豊田ス)では、代表デビューの期待も高まる。リーグ戦も残り3試合。まずは10日のアウェーのサンフレッチェ広島戦で完封勝利して、代表戦に弾みをつけたい。

練習を終え、代表招集を伝え聞いたシュミットは「選ばれた以上は試合に出場したいし、リーグ戦とそこまで大きく違うとは感じていない。まずはアジア杯(1月、UAE)に出場することを目標にやっていきたい。しっかり準備して臨みたい」と初出場へ向け意欲を示した。

辛口批評で名をはせる元日本代表GK田口光久氏(63=秋田商OB)から絶賛され自信を深めた。好セーブを連発した天皇杯準々決勝ジュビロ磐田戦を見た田口氏が夕刊紙のコラムに「基本動作をきっちりとこなし、中でも的確なポジショニングと足の運び方がうまい。代表歴0のシュミットをぜひ起用して欲しい」と寄稿。その紙面を読んだシュミットは「励みになりました」と気持ちは高ぶった。

チームはここ5試合勝ち星から遠ざかっている。残り3試合、目標のトップ5入りへ向け、まずは10日の広島戦に集中する。「チームが勝てていないのは悔しい。まだ、勝ち負けを左右できる存在になれていないところは僕の課題。個人的に調子は悪くないのでしっかりとチームを勝利に導きたい」と切り替えた。

4日、元日本代表GK川口能活(43=相模原)が引退を表明。中1のときテレビ観戦したアジア杯準々決勝ヨルダン戦で、川口が見せた神懸かり的なセーブが記憶に残っているという。PK戦で後がないキックを2本連続阻止。「あれはシンプルにすごいと思った」と憧れを抱いたという。今度こそ、その舞台に自分が立つ。【下田雄一】