清水は松本に敗れ、ホーム連勝とはならなかった。前半19分に先制点を許し追う展開になると、ロングボール主体の単調な攻撃となり、決定的なチャンスは作れなかった。後半は今季初先発のFWウタカ(31)がスピードを生かしたプレーで存在感を発揮したが、引いてブロックを作る相手への打開策は最後まで見いだせず、リーグ戦2試合連続で無得点に終わった。

 満員のアイスタにため息と悲鳴が交錯した。清水は前半19分に先制点を許すと、後半は主導権を握りながらもゴール前で精彩を欠き、無得点に終わった。8年ぶりのホーム開幕連勝がかかっていただけに、サポーターの落胆も大きかった。

 試合後、大榎克己監督(49)は「勝利を届けることができなくて、申し訳ない」と話した。前半19分、警戒していたロングスローから最終ラインの陣形を崩され、先制点を献上。追う展開となると、ロングボールを多用した単調な攻撃になり、決定機はほとんど作れない。後半34分にポスト直撃のシュートを放ったFW長沢駿(26)は「相手にサッカーを合わせてしまった。前半がもったいなかった」と、リズムを変えられなかった試合運びについて悔しさをにじませた。

 それでも、後半は巻き返した。加入後、初先発となったFWウタカが積極的にボールを受けると、同37分にFWデューク(24)との連係で決定機を作る。シュートはわずかに左へ外れるも、ゴールへの予感を漂わせた。

 とはいえ、最後まで堅守の相手を崩せなかった。ただ、新加入のウタカとデュークも徐々に調子を上げてきており、シュート数や決定機の数でも相手を上回っていた。ウタカは「次はしっかり決めたい」。長沢も「連係面を改善できれば(ウタカは)いいものをもっているので」と悲観しなかった。チームはナビスコ杯山形戦から公式戦2連敗。リーグ戦に限れば2戦無得点だが、下を向くには早すぎる。【神谷亮磨】