仙台はホームで名古屋と対戦し、勝利した。前半39分にMF野沢拓也(33)が今季2号となる先制ゴールを決め、後半24分には2トップで先発したFW奥埜博亮(25)が、左足で追加点を押し込んだ。守っても完封の快勝で、順位を7位に上げて第1ステージを締めくくった。

 最高の形で締めくくった。第1ステージ最終節。野沢が先制点を突き刺して、勝利を引き寄せた。前半39分、ペナルティーエリア内で奥埜からのパスを受けると、右足を一蹴。誰より勝利とタイトルにこだわる男が、ネットを揺らした。雨の中、ユアスタに駆けつけた1万2000人を超えるサポーターが大歓声で祝福した。

 試合後、野沢は「(チームで)2点を取って0に抑えることができて良かった。でも、もっと上を目指せる力がある」と先を見た。この日の試合前まで1つ順位が上だった名古屋を完全に封じた。気迫と執念で圧倒した。順位も9位から2つ上げて7位。渡辺監督は「成長を示すことができたゲーム。目標はぶれることなく、もっと高みを目指して突き進んでいく」と、第2ステージへ向けて確かな手応えを得た。

 今季は大幅に選手が入れ替わった新生ベガルタだが、着実に歩を進める。今季は5連敗など苦しんだ時期もあったが、富田主将は「それがあったから今がある」と、困難を乗り越え1段ずつレベルアップしたチームに目を細めた。野沢も「それ(勝てない時期)を振り返ると本当に悔しかったし、もったいなかった」と唇をかむが、「全員がチームのために走り、点を取れる仙台らしさがある。もっとできる感触もある。だから第2ステージで前半戦の悔しさをぶつけたい」。次のステージは来月11日からスタートする。仙台イレブンは振り向かず、ひた走る。【成田光季】