宮城の聖和学園が延長の末、宮城工に逆転勝ちし、2年連続3度目の全国切符を獲得した。敗色濃厚だったロスタイムのラストプレーで、ボランチ菊谷篤資が起死回生の同点シュートを決め、延長前半4分、左MF波田野海(ともに3年)の決勝ゴールで劇的勝利をものにした。全国選手権は来月30日、埼玉スタジアムほかで開幕する。
聖和学園が「魅せるサッカー」を貫き通して100分間の激戦を制した。宮城工との2年連続の同カード決勝は、まさにミラクル決着。加見成司監督(43)は「最後まで諦めずによく頑張った」と選手たちの粘りをたたえた。
万事休すの状態から巻き返した。1点を追うロスタイム4分の終了間際。レフティ菊谷が放った一撃はポストを激しくたたき、そのままゴールに吸い込まれ、延長戦まで持ち込んだ。今大会初先発の菊谷は「ラストプレーだと思っていました。練習はしていましたが成功は3割くらいだったので自分でもびっくりしました。いいアピールができました」と胸を張った。
さらにヒーロー争いは続く。息を吹き返したチームは延長前半4分。中央からドリブル突破した波田野がゴール左上に決勝ゴールを決め、ジャンプしながら喜びを爆発させた。前半19分にもドリブル突破から先制弾を決めている波田野は「同点になって気持ちが乗った。自分が決めるつもりでした。いい感じで振り抜けた」と振り返る。
主力2人が体調不良で先発から外れる中、チーム一丸になった。MF谷田光は8月上旬に左足甲の外側を骨折。FW木部大嗣(ともに3年)も腰痛を抱える緊急事態だった。その2人もロスタイムから途中出場。精神的支柱になり、追撃の起爆剤になった。
チームは元Jリーガーの加見監督の下で、個人技を生かしたパスサッカーを実践。「記憶に残るサッカー」を追及する。秀学館(熊本)との昨年の全国1回戦では1歳年上の先輩・坂本和雅(駒沢大1年)がハットトリックを達成。同じ埼玉出身で背番9を引き継いだ波田野は「自分たちも(観客を)魅了できるサッカーをして昨年の先輩たちを超えたい」とまずはチームベストの2回戦突破を目標に掲げた。【佐々木雄高】



