新体制には、会長選を制した田嶋幸三氏の色が鮮明に出た。ワールドカップを2度指揮した岡田氏が副会長、J1監督で歴代最多勝利の西野氏が技術委員長に就任する。抜群の実績とインパクトを誇る人材で脇を固めた。

 田嶋氏は競技、財務、運営など自身の人脈を駆使して「プロフェッショナルを集めた」と胸を張る。旧知の岡田氏は非常勤だが、サッカー界で顔が利き一目置かれる存在。相談相手の役割も期待する。「日本の誰にもない経験を持っている」と評する副会長がいることで、自らの施策にも強い説得力を持たせられる。

 今の技術委員会は選挙で戦った前専務理事の原氏が築いてきた。現職の霜田強化担当技術委員長は引き続き日本代表をサポートするが、選手時代から親交の深い西野氏をトップに据え、方針をより直接的に反映させられそうだ。育成復活を最大の課題に掲げるだけに「一番うれしかった」と話す人選となった。

 強化、育成体制を刷新するが、急激な変革にはひずみも付きまとう。新会長は船出から、手腕の見せどころとなる。