16年ぶりに鹿島アントラーズに復帰したジーコ・テクニカルディレクター(65)が、選手をたたえた。

 スコアレスドローが濃厚だった後半ロスタイムに、FKから最後はDF西大伍が決勝ゴール。1-0で勝ち切る勝負強さに「本当に選手たちをたたえたいし、選手たちに走る気力を持たせたサポーターにも感謝したい。最後まで信じてやるという、単純なことだけど、それを実行したことは非常に良かった」と褒めたたえた。

 前日、初めてチームに合流すると、選手たちに、最後まで勝ちにこだわるように訴えた。「どんな試合でも勝つこと。このチームは全て1位じゃないと意味がない」。それを体現した選手たち。ジーコTDは「主審が最後の笛を吹くまであきらめずにやるという、単純で当たり前のことをただやっただけであって、それを信じてやり続けた選手をたたえなければいけない」と目を細めた。

 「別に僕は特別なことを伝授、あるいは植え付けたわけではなく、ごく当たり前のこと。全力を尽くしてやった者というのは、必ず報われるということは、今日の試合でも示されたのではないかな」。

 試合後は選手1人1人に握手を求めて、勝利をねぎらっていた。どの試合でも、どんな形でも「勝つ」というジーコイズム。復帰初戦でいきなり発揮された。