東京ヴェルディFW泉沢仁(26)が、横浜FC戦の後半14分から途中出場し、25分に決勝弾を決め、チームをJ1自動昇格圏の2位FC町田ゼルビアと勝ち点4差の暫定4位に押し上げた。

泉沢は後半25分、左サイド深くまで前進したDF香川勇気(26)のパスをペナルティーエリア内で受けると、迫るDF3人をもろともせず、右足を振り抜いて決めた。8月11日のモンテディオ山形戦(1-2敗戦)以来4戦ぶりの今季2点目に、満面の笑みを浮かべてンチに走り寄った。

試合後、ゴールについて聞かれると「あのシュートは自分の得意な形だったので、相手どうこうと言うよりも、自分のバランスを崩さないようにという思いで打ちました。あの位置は練習していることも多いんで、入って良かった」と振り返った。阪南大から14年に加入し、16年までプレーした大宮アルディージャでも、左から切れ込んで決めきる形はよく見せており、まさに“泉沢ゾーン”とも呼べる位置から決めたゴールだった。

J1のガンバ大阪でリーグ戦、ルヴァン杯ともに3試合の出場にとどまっていた中、6月25日に期限付き移籍で東京Vに加入した。そこで、スペイン1部で20年以上、指揮を執ったミゲル・アンヘル・ロティーナ監督(61)と攻撃を指導するイバン・パランココーチ(38)という、スペイン人の指導陣に一から指導を受けたことが大きかった。「ロティーナとイバンからサッカーを教えてもらっているのが、自分にとって大きい。ポジショニングとかボールの置き方とか…学ぶところが、まだ自分にあったなと思って。新たな自分を(感じているので)もっと、もっと成長したいと思います」と進化した自分を感じている。

J1昇格をかけて戦う、厳しい毎日にも刺激を受けている。「1試合、1試合、緊張感のある試合、サッカーを出来ているということが、チームとしても個人としてもいい。来て良かったと思いますし、今、非常に楽しくサッカーをやっています」と笑みがこぼれた。

後半36分にFWイバにゴールを決められ、1点差に詰め寄られるなど終盤は苦しんだが、結果的に泉沢のゴールが上位対決での大きな白星を呼び込んだ。3位の横浜FCに勝ち点55、得失点13で並ぶ4位にチームを押し上げ、J1自動昇格圏も見えてきた。泉沢は「大事な試合だった。何より勝ち点3が、チームに元気と良い刺激を与える。でも切り替えて、次ですね」と16日の次節ロアッソ熊本戦に気持ちを切り替えた。【村上幸将】