J1横浜F・マリノスのMF遠藤渓太(20)が22日、21歳以下の選手を対象としたルヴァン杯「ニューヒーロー賞」を受賞した。同日、Jリーグが発表した。横浜の選手による同賞の受賞は13年の斎藤学(28=川崎F)以来、2人目。

横浜市の日産スタジアムで会見が行われ、遠藤は「ニューヒーロー賞をいただけたことを大変うれしく思います。自分の力だけで勝ち得た賞ではなく、チームメートやスタッフさん、サポーターのみなさんのおかげでとれたと思っています。自分としては受賞するに値するプレーを披露できたとは思っていないですし、そのためにも決勝と残りのリーグ戦で価値を証明していけたらと思います」とあいさつした。

ルヴァン杯では代表活動などで離脱する期間がありながらも、12試合中9試合に出場。チームの決勝進出に貢献してきた。ルヴァン杯は「チーム全員で戦ってきた大会だと思いますし、いつも試合に出てない人もスタメンの人も試合で戦ってきた。だからこそ決勝はとりたいし、僕自身も(ルヴァン杯で)ゴールがないので、決勝でしっかりとれるように頑張りたいです」と話した。

20日のリーグ戦ガンバ大阪戦では左足太もも裏を負傷して途中交代。27日の決勝出場も危ぶまれていたが、会見では出場に意欲をみせ「幸い、重傷ではなかった。まだわからないですけど、自分としてはそこにむけて前進していくのみ。みんなでつかんだ決勝だと思いますし、(元日に)天皇杯で負けた悔しさも知っている。ここまできたら死ぬ気で、スコアはなんでもいいので勝てればいいかなと思います」と力を込めた。

過去の受賞者には04年のMF長谷部誠(当時浦和)や11年の原口元気(当時浦和)、14年のFW宇佐美貴史(当時ガンバ大阪)ら日本代表経験者がズラリと並んでいる。このことについては「そうそうたる選手たちばかりですし、まさか自分が選ばれるとはという思いでした。今は(その選手らに比べて)全然ですけど、その人たちに引けを取らない活躍を今後できるようにしていきたい」と意気込んだ。

受賞の副賞として、賞金50万円とヤマザキビスケット社製品1年分などもゲットした。「お菓子は好きな方なので、自分でも食べたいし、余ったら後輩とかに少しあげられたらと思います」と笑顔をみせた。

遠藤は横浜では主に左ウイングを任され、鋭いドリブル突破や、中に切り返してのシュートが持ち味の攻撃的MF。リーグ戦でも今季はここまで30試合中24試合に出場し、2得点をマークしている。Jリーグは受賞理由として「試合を重ねるごとにキレが増し、自身の勢いに乗ったプレーとチームの上り調子が同調。チームにとって17年ぶりの決勝進出に貢献した活躍に加え、大会を通じて成長する姿に今後の可能性が秘められていることも評価を受けて、ニューヒーロー賞受賞となった」とコメントした。

同賞は大会のグループステージから準決勝までの各試合会場における報道関係者の投票をもとに、Jリーグチェアマンを含む選考委員会において選出されるもの。遠藤はジュニアユース時代から横浜の下部組織で育った生え抜きで、17年のU-20W杯韓国大会のほか、U-21日本代表として今年8月のアジア大会にも出場した逸材。プロ1年目からリーグ戦23試合に出場するなど将来を期待されており、今年は自ら志願して背番号を18から11へと変更するなど、飛躍を誓っていた。

横浜と湘南が激突する決勝戦は27日に埼玉スタジアムで行われ、13時5分キックオフ予定。

過去のニューヒーロー賞の受賞者は以下の通り。カッコ内の所属は当時。

1996年 名波浩(磐田)斉藤俊秀(清水)

1997年 三浦淳宏(横浜F)

1998年 高原直泰(磐田)

1999年 佐藤由紀彦(東京)

2000年 鈴木隆行(鹿島)

2001年 曽ケ端準(鹿島)

2002年 坪井慶介(浦和)

2003年 田中達也(浦和)

2004年 長谷部誠(浦和)

2005年 阿部勇樹(千葉)

2006年 谷口博之(川崎F)

2007年 安田理大(G大阪)

2008年 金崎夢生(大分)

2009年 米本拓司(東京)

2010年 高萩洋次郎(広島)

2011年 原口元気(浦和)

2012年 石毛秀樹(清水)

2013年 齋藤学(横浜)

2014年 宇佐美貴史(G大阪)

2015年 赤崎秀平(鹿島)

2016年 井手口陽介(G大阪)

2017年 西村拓真(仙台)