青森に初のJリーグ球団が誕生する。ヴァンラーレ八戸が3-1でヴィアティン三重を下した。J3昇格条件の年間4位以内を確定させ、20日のJリーグ理事会で承認されれば来季からJ3に加わる。球団創設13年目、JFL5年目で悲願のJ入りを当確にした。

最終節を残し、八戸が自力で昇格を決めた。シュート数で17対6と圧倒。前半ロスタイム7分にMF新井山祥智(23)がこぼれ球を右足で押し込むと、後半8分、同14分とFW谷尾昂也(26)が連続ゴール。3-1とリードして、歓喜のホイッスルを聞いた。

守備で勝ち取った勝利だった。総得点40はリーグ7位タイ、2ケタ得点をマークする絶対的エースもいないが、29試合中15試合で無失点など、失点20はリーグ最少だ。7月30日には就任1年目の葛野昌宏監督(43)が急性大動脈解離で緊急手術を受け、その後は東純一郎ヘッドコーチ(40)が指揮を執った。アクシデントも乗り越えた。

16年9月にJ3ライセンスを交付されており、同10月には現本拠地のダイハツスタジアムがオープン。9日にはJリーグ入会に向けたヒアリングで八戸を訪れた村井満チェアマンから「順位要件を満たせば」とお墨付きをもらった。最終順位では3位以上が決まり、東北6県で唯一の空白県にJクラブができる。18日の今季最終戦(対テゲバジャーロ宮崎)はホーム。サポーターの祝福を受け、白星で有終の美を飾る。