藤枝東が2年ぶりの決勝進出を決めた。藤枝明誠戦で2-0の完封勝利。FW前原乙仁(くにと=2年)が、全得点に絡む活躍を見せた。決勝は今日17日、愛鷹広域公園多目的競技場で午後1時30分開始。

FW前原の右足が、藤枝東を決勝へ導いた。0-0の後半21分、右CKの好機。ゴール前へ真っすぐ伸びる弾道のボールを送り、オウンゴールを誘った。「前日にストレートボールの練習をしていた」。狙い通りの形で先制点をもたらした。

背番号「20」は、終了間際にも輝いた。同ロスタイムに右サイドでボールを保持すると、今度はカーブをかけたクロスを中央のMF栗山且椰(2年)に供給した。きれいな弧を描いたピンポイントクロスで、決定的な2点目をアシスト。軌道を変えた2種類のキックで、全得点を演出した。「キックには自信がある。良いボールを蹴れたと思う」と言葉も弾んだ。

藤枝明誠には、昨年度県選手権準々決勝でPK戦の末に敗れた。前原も後半からピッチに立った。この日、試合前には共に戦った3年生から「借りを返せよ」とメッセージが届いていた。「3年生にとって最後の大会で負けた悔しさは大きかった。期待に応えたかったし、結果で示せて良かった」。先輩の思いも晴らす完封勝利だった。

6年ぶりの優勝を懸けた決勝の相手は、4連覇を狙う静岡学園。中部地区大会決勝では0-2で敗れた。「決勝で結果を残せてこそ本物」と前原。2試合連続の「リベンジ」で頂点に立つ。【前田和哉】