コンサドーレ札幌MF荒野拓馬(25)が19日、自身初のJ1開幕スタメンを射止めた。熊本キャンプ中のチームは2日間のオフが明けた19日、練習を再開した。23日湘南との開幕戦(BMWス)前最後の実戦となった16日の練習試合(対戦相手非公表)で先発し、湘南戦でのスタメン起用がほぼ確実となった。プロ入り8年目、J1で初めてシーズンの幕開けをピッチに立って迎える。

   ◇   ◇   ◇   

荒野がJ1で初の開幕スタメンを、ほぼ手中にした。この日の熊本市内での練習でミニゲームで主力組のボランチに入った。開幕スタメンについてミハイロ・ペトロビッチ監督(61)は「基本的には去年4位になった選手たちがベースになる」と構想しており、16日の練習試合は「1本目は去年ベースとなった選手が出る」と、開幕布陣で臨むことを予告していた。荒野は1本目でプレーし、当確ランプが点灯した。「毎年ケガしちゃって出られていなかったので、頑張ります」と、気合を入れた。

荒野にとって開幕ピッチは特別だ。プロ入り8年目で開幕スタメンはJ2時代の15年の1度だけ。14年は途中出場しているが、そのほかのシーズンはベンチ入りすら逃している。4度目のシーズンを迎えるJ1で、初めて先発が見えた。「ケガなく1年間戦える体づくりはできている」と、スタートダッシュに自信を持っている。

ボランチ争いで指揮官の信頼を勝ち取った。タイ、沖縄キャンプでの実戦では、荒野のほかに昨季の主力MF深井、現在は右膝痛で全体練習に参加できていないMF駒井ら、主に6選手が同位置で試されていた。対外試合7試合中、ともに最多6試合で先発した深井とのダブルボランチで今季スタートを切ることになりそうだ。昨季後半に安定したプレーを見せていたコンビだけに「お互いの特徴はわかっているので。自分は前から積極的にいきたい」と、自身の役割を全うするつもりだ。

「ミシャ(ペトロビッチ監督)と1年間やっている経験がある。その経験を生かしてチームの勝利に貢献したい」。チームにとって01年以来のJ1開幕白星へ、気持ちは十分荒ぶっている。【保坂果那】

◆荒野とJ1開幕 12年は札幌U-18からトップ昇格したシーズンで、ベンチ入りを果たせず、リーグ戦出場は3試合にとどまった。17年は股関節痛の影響でメンバー入りできず、18年は17年11月に受けた右足甲骨折の手術の影響でキャンプ中リハビリが続いていたため出遅れ、第3節清水戦がシーズン初出場だった。