北海道コンサドーレ札幌はクラブ史上初めて3年連続J1でシーズンを戦う。今日23日、湘南ベルマーレとの開幕戦を迎える。昨季チーム3位8得点でJリーグベストイレブンにも選出されたMFチャナティップ(25)は今季、チームの顔として先頭を走る。

チャナティップのJリーグ3シーズン目が、いよいよ幕を開ける。定位置の左シャドーで巧みなドリブルを武器に、ゴールを狙う。昨季アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)まであと1歩の4位だった悔しさは、まだ心に残る。「目標はACL出場権を狙い、優勝まで導けるようなプレーヤーになること。チームの力になりたい」。17年途中から加入した「タイのメッシ」は、すっかりチームの中心。その自覚も、十分にある。

ほぼオフなしでのシーズン突入だが、疲労を感じさせない。昨年12月末からタイ代表合宿に参加し、年明け1月はアジア杯に出場。母国を自国開催で3位となった72年大会以来47年ぶりに決勝トーナメントに導いた。チームには始動から11日遅れの1月25日に、母国タイで合流。だが国際舞台で戦っていたため、実戦感覚はどの選手よりも磨かれていた。同27日の「Jリーグアジアチャレンジinタイ」バンコク・ユナイテッド戦にはキャプテンマークを巻いて凱旋(がいせん)出場。ゴールを奪ってみせるなど状態の良さを証明していた。

今季から完全移籍となり、あらためて気合も入れ直した。昨季は第2節C大阪戦でのJリーグ初得点を皮切りに8ゴールと一気にブレーク。ペトロビッチ監督からも「今季も自分の才能をJリーグの舞台で発揮してくれる。さらに良くなると思っている」と信頼は厚い。当のチャナティップは「自分のやるべきことを全部出し切るだけ」と気負いはない。昨季から自身がどれだけ上積みできるかを心に秘め、開幕戦のピッチに立つ。