20年7月24日開幕の東京オリンピック(五輪)まで、12日で「あと500日」。代表候補のコンサドーレ札幌FW岩崎悠人(20)が自国開催の大舞台への思いを語った。チームメートである前回リオデジャネイロ大会の代表FW鈴木武蔵(25)からは、五輪出場の“先輩”としてのアドバイスやエールが送られた。【取材・構成=保坂果那】

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-12日で東京五輪まで500日

岩崎 あとそれしかないんだなと思う。現状札幌で試合に出られていないので、500日と聞くとちょっと不安になる。まずはチームで試合に絡んでいくってことが今は大事。とにかく早く試合に絡んで代表にもアピールしていきたい。

-前回大会のリオデジャネイロ五輪は

岩崎 日本の試合を見ていた。頭の中で4年後をふわっとイメージはしていたけど、その時はそこまで強い思いはなかった。

鈴木 五輪はやっぱり特別。代表で遠征に行っていたけど、雰囲気が違った。あっという間に終わっちゃった。メダルを目標にしていたけど、(1次リーグ敗退に)悔しいと思う時間もないくらいだった。バックアップメンバーで遅れて参加した僕の立場もあると思うけど。

岩崎 代表スタッフにブラジルの時は移動が大変で、選手のコンディションが難しかったと聞いた。中2日で試合が行われていくので、体作りや食事など、ピッチ外のところでも今からやっていかないといけないなって思っている。

-開催国枠での出場は

鈴木 予選が本当に大変だった。5大会連続出場というプレッシャーがあって、出られなかったら申し訳ないという雰囲気で。うらやましさもある。

岩崎 予選がない分、しっかりとしたチームづくりが他の国よりできない。本戦に向けてメンバー争いが激しくなると思うけど、チームとしてやるべきことをしっかり理解した上でメンバー争いに勝ち残っていかないと、チームとして結果が出てこないと思う。

-自国開催のプレッシャーもある

岩崎 もちろんメダルを目指して。両親にメダルをかけてあげたい。1次リーグで負けるわけにはいかないですよね。プレッシャーに勝てる自信をこの500日でつけて、心も体もサッカーの技術だったりも、全てにおいて成長していかないと。成長スピードを上げていきたい。

鈴木 メダルが必然的に期待されているプレッシャーはあると思う。五輪世代には頑張ってもらいたい。応援に行きたい。オーバーエイジ枠? いやいや、見る側で。

-大会に向けて

鈴木 偉大な大会に出させてもらっているという感謝の気持ちを持って参加してほしい。悠人も含めてみんなを応援している。頑張ってチケットも取ってもらいたいです。

岩崎 ライバルはたくさんいる。(堂安)律だったり、(三好)康児君、(久保)建英もそう。そのなかで自分の持ち味の戦う姿勢プラス決定力や、せっかくミシャさん(ペトロビッチ監督)に教わってるので、技術のところを何か身につければ、メンバー争いでも戦っていけるんじゃないかなと思う。今の自分だったら五輪の舞台で活躍できないと思うので、1日1日、あと500日を大切にしてやっていきたい。

◆岩崎悠人(いわさき・ゆうと)1998年(平10)6月11日、滋賀・彦根市生まれ。17年に京都橘からJ2京都入り。同年2月26日山形戦でJリーグデビューし、同年4月29日大分戦で初得点。J2通算68試合3得点。今季から札幌へ完全移籍し、出場はルヴァン杯1試合。代表はU-17から招集され、17年U-20W杯、18年U-23アジア選手権、同年に準優勝したアジア大会出場。172センチ、69キロ。利き足は右。

◆サッカー男子U-22日本代表の今後 3月にU-23アジア選手権予選(ミャンマー)でマカオ(22日)東ティモール(24日)ミャンマー(26日)と対戦する。5月にフランス遠征、9、10月に海外遠征を予定。国際親善試合を日本国内で11月17日(広島)、12月28日(長崎、ともに対戦相手未定)に行う。

◆チームはこの日、札幌・宮の沢でルヴァン杯J2長崎戦(13日、札幌ドーム)に向けた練習を行った。7対7のミニゲームなどで調整した。今季加入したFW岩崎は初めて宮の沢でプレー。気温4度に「ちょっと寒いですね」と苦笑い。9日の清水とのリーグ戦では、ベンチ入りも出場はなかった。本拠地デビューに向けて「明後日(13日)の試合に向けてコンディションを今から整えていきたい。この前ピッチに立てなかったので楽しみですね」と話していた。