72年に来日し、以来日本で暮らすセルジオ越後氏(73)に「守り続けてほしいと思う日本のいい習慣」をいくつか挙げてもらった。1つが「酒を酌み交わす」というもの。いわゆる「差しつ、差されつ」、ビールや日本酒などを互いにお酌をして飲む形だ。「相手と距離を縮めてつき合おうとする気持ちが表れている」。ブラジルや米国では、酒席でも自分が飲みたいものを勝手に飲む形のため、新鮮に映ったようだ。
また年賀状、お中元、お歳暮などには「年に1度の連絡でも、ずっと友だちでいたい」という、人間のつながりを見つけた。最近は少なくなってきたが、引っ越ししてきた時のあいさつ回りも、「日本ならではのいい習慣」とも。同氏がここで挙げたものに共通しているのは、いずれも人が人を求める心が伝わるものという点だった。
同時に近年は「酒を酌み交わす」のも、相手と程度を間違えると、ハラスメントになりかねない。そんな背景から宴席の回数が減るなど、人づきあいが希薄になることを憂慮している。
◆セルジオ越後 ブラジル・サンパウロ生まれの日系2世で、18歳でブラジルの名門コリンチャンスとプロ契約。同国代表候補にもなった。72年に来日、藤和不動産サッカー部(現湘南)でプレー。78年から「さわやかサッカー教室」で全国を回り、開催1000回以上、延べ60万人以上を指導。その経験から「セルジオ越後の子育つ論」など子育て本も出版。93年4月から日刊スポーツ評論家。06年文部科学省生涯スポーツ功労者表彰受賞、13年外務大臣表彰受賞。17年旭日双光章を受章。H.C.栃木日光アイスバックスのシニア・ディレクター、日本アンプティサッカー協会最高顧問。



