北海道コンサドーレ札幌のタイ代表MFチャナティップ(25)が体調万全で本格始動した。チームは4日、沖縄・金武町での第2次キャンプで初めて午前・午後の2部練習を敢行。第1次タイキャンプ3日目の1月16日の練習中に右膝痛を発症して別メニューだったチャナティップが完全合流した。母国では練習試合全4試合を欠場するなど不本意に終わったが、開幕へエンジンをかけていく。

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「大丈夫です!」。チャナティップの陽気な声が順調な回復ぶりを物語った。タイキャンプ中の練習でシュートを打つ際に地面を蹴り上げて痛めた右膝の状態も良好のようだ。母国でのキャンプは不完全燃焼に終わったが、第2次沖縄キャンプの本格始動初日に完全合流し、軽快なプレーを見せ笑顔も戻った。

4季目の今季は「判断」をテーマに調整を続ける。タイ代表エースとしてW杯アジア予選など重圧を背負った昨季はリーグ戦4得点。疲労の蓄積もあり、前年の8得点から後退した。「シュートするか、パスをするか」。ミハイロ・ペトロビッチ監督(62)の超攻撃的サッカーを構成するシャドー(1・5列目)として、的確な判断で得点にからんでいくつもりだ。

今季はさらにチームが推し進めるハイプレスをかけて前線でボールを奪う守備改革への適応も求められる。「もっと疲れるかもしれないけど、やらないといけない。やらないと試合に出られない」と守備への意識もより高めていく。チームはすでに練習試合4戦をこなし課題も見えてきた。10日までの今キャンプでは6日J2FC琉球戦、9日川崎F戦が予定されている。まだ実戦がないチャナティップは「短いので集中力を上げ、コンディションを上げていく、2試合とも出たい」と急ピッチの調整を図っていく。

今季の公式戦初戦は2月16日のルヴァン杯アウェー鳥栖戦。昨季準優勝になった同杯では出場は2試合のみ。「全て出たい」とカップ戦、リーグ戦ともに、どん欲に出場機会を求める。「ACL(アジア・チャンピオンズリーグ)までいきたい」。掲げ続ける大目標のために、フル稼働に耐えられる肉体を沖縄の地で築き上げていく。【浅水友輝】

○…午前練習開始前に、金武町による歓迎セレモニーが行われた。札幌の同町でのキャンプは7年目で、地元企業から飲料などが贈呈された。ミハイロ・ペトロビッチ監督(62)は「温かく迎えてもらい、うれしい。リーグ戦でもカップ戦でもいい成績を残し、今年はタイトルを取ってみなさんのサポートに応えたい」とあいさつした。