ガンバ大阪MF遠藤保仁(40)のJ1最多出場記録を仲間が祝福した。21年連続で先発起用した宮本恒靖監督(43)は現役時代に日本代表でも、所属のG大阪でも一緒にプレーした間柄。鉄人の存在に、称賛の声があふれた。

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G大阪宮本監督は記者会見で遠藤の存在を絶賛した。「彼がいることで試合が落ち着いた。攻撃する時間をつくるのが(起用の)目的。90分間は難しいと思っていたのに、試合を締めてくれた」とフル出場にも脱帽。16日ルヴァン杯柏戦同様に途中投入が予想されたが、迷わなかった。3バックではなく4バックで臨んだ采配も的中し、9年ぶりの開幕勝利を呼んだ。

前半6分だ。前線からの果敢なプレスで矢島が球を奪い、倉田がJ1通算50点目となる先制ゴールを挙げた。より前掛かりになった横浜に、遠藤の中盤でのさばきが効果的になった。「遠藤さんがいたことでタメを作れた。さすが」という守護神東口は「631試合はすごいとしか言いようがない。すごすぎて分からない数字」と話した。

元日本代表DFの山口ヘッドコーチは「特に視野の広さがすごい選手で、常にアンテナを張っている。だから、いちかばちかのプレーが少なく、例えば人より先に動いて球を扱える」という。警告の数やけがが少ない1つの理由だという。

この日、観客席で見守った元G大阪FWの播戸竜二さん(40)は「何を言っても、あの年齢で先発に選ばれて、結果を出していること自体がすごい」。99年ワールドユース準優勝をともに経験したが「とにかく貪欲。うまい選手という言葉で片付けられがちだが、その陰には本人の努力があった」。2人は08年秋、ともに病気で同じ時期に同じ兵庫県内の総合病院に入院した。現役生活の危機に直面したが、病気と闘い、その後も活躍を続けた。