J2モンテディオ山形はジュビロ磐田に0-2で敗れ、黒星スタートとなった。前半13分、相手のシュートをGK櫛引がはじいたところを、U-23日本代表のFW小川航に詰められ先制されると、同35分にもCKから再び小川航に頭で決められた。昨季6位に終わり、石丸清隆新監督(46)のもと、攻撃力アップを目指してきたが、優勝候補と目される磐田の前に、厳しい滑り出しとなった。

J1昇格を目指す山形にとって、敗れて収穫ありだった。J1から降格し、1年でのJ1復帰を目指す磐田と初戦で戦ったことで、はっきりと課題が見えてきた。序盤からパスミスなどでリズムに乗れず、逆にこぼれ球から先制され、相手を勢いづかせた。シュート数こそ7-6と上回ったが、数字以上に迫力不足は明らかだった。石丸監督は試合後の会見で開口一番「攻守ともに、もう少し積極的に、アグレッシブにいきたかった」と今季のテーマにも掲げていた「アグレッシブ」の部分に触れた。

0-2で折り返した後半からは、目指していたボールを大事にしながらの攻撃を時折見ることができた。後半から途中出場した新加入のMF加藤が、左サイドで積極的に仕掛け、リズムを変えた。開幕戦こそ落としたものの、J2は42試合の長丁場、下を向いている暇はない。MF本田は「ジュビロ相手にそれなりにはできたけれど、球際の部分であるとか、質の部分の差が出たと思う」と現時点での実力差を認めた。

昨季は序盤から好調で、6月には首位にも立ったが、後半失速し6位。山田拓巳主将もキャンプ中に「序盤に上位にいることも大事だが、より大事なのは後半戦だと思っている」と話していた。今後、さらに新戦力とのコンビネーションの向上や、戦術の徹底を図ることが求められる。FWアラウージョも終了間際に途中出場するなど、チーム内競争も激化するはずだ。

開幕から3試合はアウェーでの戦いが続くため、試合後は再び3次キャンプを行っていた千葉・市原に戻った。石丸監督は「もっと精度を高めないと。パススピードも磐田に比べてだいぶ遅い。やらなきゃいけないことは多い」とさらなる積み上げを図る。【野上伸悟】