カズの雄姿が先発で見られるかもしれない。横浜FCのFWカズ(三浦知良、53)が4日、5日に約半年ぶりに再開されるルヴァン杯の鳥栖戦に向け、チームと敵地へ出発した。下平監督はリーグ戦にかかわっていないメンバーの起用を示唆しており、カズ先発出場の期待がかかる。PKキッカーにも指名されており、最年長ゴール記録更新の可能性もある。レジェンドが九州の地で、コロナ禍のサッカー界を熱くしそうだ。

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下平監督が明かした通り、カズがこの日、鳥栖へと旅立った。指揮官はメンバー選考に「リーグにかかわっていないメンバーも多く出場することになる」と示唆している。チームはコロナ禍によるリーグ中断後、システムを「4-2-3-1」から「3-5-2」に変更し、下平監督は新システムでカズを2トップで起用する構想を明かしている。FWは一美、斉藤、皆川、斎藤、草野が既にリーグ戦に出場。8月に8試合を戦う過密日程も考慮すると、カズが先発に名を連ねる可能性はある。

カズは昨季も、指揮官が大幅メンバー変更を示唆した天皇杯2試合で主将マークを巻き先発した。さらに、指揮官はカズをPKキッカーに指名。ルヴァン杯で得点すれば17年5月10日の神戸戦でマークした土屋征夫(甲府)の42歳9カ月10日の最年長記録を大幅に更新する。ルヴァン杯の最年長出場記録も土屋の42歳10カ月0日。得点すれば、ダブルで土屋の記録を塗り替える。

カズは昨季、リーグ戦出場は3試合にとどまった。今季、13年ぶりとなるJ1の舞台へ向かうにあたり、ルヴァン杯に触れ「出場機会が少ない選手にも回ってくる可能性があるので、自分はカップ戦でアピールしてリーグ戦につなげたいのが正直な気持ち」と明かしていた。ベンチスタートでも交代枠はリーグ戦同様5人だけに、出場の可能戦は十分ある。

チームは現在、リーグ戦4連敗で17位と低迷。カズを筆頭に、新戦力が高いパフォーマンスを発揮することで、チーム内競争も含めリーグ戦へのパワーにつながるのは必至だ。ピッチに立つカズの姿が、チームだけでなく、コロナ禍のサッカー界に大きなエネルギーを注入する一戦になりそうだ。【岩田千代巳】