桐蔭学園が桐光学園を延長戦の末に3-2と振り切り、3年ぶり10度目の全国大会出場を決めた。

神奈川の伝統校対決となった一戦は大接戦となった。前半6分に桐蔭学園がFW立石宗悟(2年)の得点で先制。桐光学園も後半7分、DF国島康介(3年)のヘディングシュートで同点とした。

その4分後、桐蔭学園はFW長沢圭剛(3年)が縦パスから裏へ抜け出すと、前に出ているGKの位置を確認するや、30メートル近い位置が右足で正確なループシュートを決めて勝ち越しに成功した。

再び追う展開となった桐光学園は後半15分、MF栗原祥太(3年)がゴール前の相手を背負ってパスを受けると、右へ短くドリブルで持ち出し、右足を鋭く振り抜き同点ゴール。2-2とした。

どちらも好機を迎えながら勝ち越しゴールを奪えず、試合は10分ハーフの延長戦へ突入。その前半終了間際、FW立石がドリブル突破を図ったところ倒されてPKを獲得。これをDF青木祐人(2年)が冷静にゴール左へ決め、再び勝ち越した。

その後は桐光学園が反撃を試みるも、桐蔭学園は全員で体を張ったディフェンスで得点機を与えず、そのまま逃げ切った。

就任3年目で全国切符を手にした八城修監督は「(3年生は)入学してきた時から全国へ行きたいという気持ちが強かった。自分たちの思いが実現したことに感動している」と感無量の面持ちで話した。

また、先制ゴールに、決勝点につながるPKを獲得したFW立石は「PK戦になると相手GKがいいので苦しくなると思った。何とか延長戦で得点を決めて勝ちたかった」と安堵(あんど)の表情だった。

12月31日の全国大会初戦では、強豪の東福岡(福岡)と対戦が決まっている。主将のDF中島駿乃介(3年)は「とても強い相手だが、全国では簡単な試合はない。チームの士気を高めて、集中していい準備をしたい」。全国優勝を目指し、素早いパスワークを生かした伝統的なファンタジーフットボールに加え、持ち前の粘り強い守備力に磨きをかけることを誓った。