北海道コンサドーレ札幌は敵地でFC東京に1-2で敗れ、今季リーグ戦初の2連勝はならなかった。前半29分に相手がレッドカードを受けて1人退場。一時数的有利に立つも、後半14分、DFキム・ミンテ(27)もレッドカードで退場。直後の同16分、24分と連続失点。同38分にFWアンデルソン・ロペス(27)が公式戦4戦連発、リーグトップの7点目となるゴールを決めたが、反撃はそこまでだった。

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波乱の試合で札幌は東京に屈した。お互いに退場者を出しながら戦った90分を終え、ペトロビッチ監督(63)は「相手に退場者が出てから逆にやりにくさが出たのか、選手たちが慎重になり過ぎたのか、横パスが多くなった。今日は我々が負けに値する試合になってしまった」と認めた。

「アドバンテージを生かせなかった」と指揮官が言うように、数的有利な時間帯で攻めきれなかった。前半29分、ルーキーFW小柏の快足が相手のファウルを誘った。東京DF渡辺がレッドカードを受けて一発退場した。その後、相手に守備を固められ、ボールを持たされ、攻撃のテンポを上げきれず。今度は自チームから退場者を出した。後半14分、DFキムはVAR判定の結果レッドカードを受けた。

10人対10人でリスタートした直後の同16分にFKから先制を許し、同24分にはMF宮沢のファウルで献上したPKを決められ、2点ビハインド。同38分に左サイドのFW菅のシュートをFWロペスが右足で押し込み1点を返したが、反撃はそこまでだった。

2月27日横浜FCに5-1で大勝した開幕メンバーが先発に並んだが、再現はならなかった。3月25日のU-24日本代表の練習参加中に負傷したDF田中が3バック右で2試合ぶりに復帰を果たし、フル出場。小柏は5試合ぶりのスタメン。だが小柏は前半35分、滑りやすい芝生に足を取られて転倒。その際に左肩を痛めて無念の交代となった。

次節ホーム鹿島戦はキムは出場停止、小柏も回復が間に合わなければ欠場の可能性がある。過密日程の4月の戦いにも響く痛い敗戦となったが、光明はロペスが順調に得点を重ねていること。今季リーグ戦7得点でJ1得点ランキング単独1位に立った。「自分の役割を果たせている。チームに貢献し、サポートする強い気持ちを持って集中できている」とうなずく。今季ホーム2試合不発なしの4得点を挙げるエースは、サポーターの後押しを受けながら、次は勝利に導くゴールを狙う。

◆札幌のJ1東京戦 この日の負けで通算3勝3分け11敗となった。直近5試合は2分け3敗と勝てていない。最後の勝利は18年ホームで3-2。FW都倉、MF白井、チャナティップが得点した。敵地では1勝1分け7敗と苦戦。ペトロビッチ監督が就任した18年から3年連続敵地では無得点だったが、この日の後半ロペスの得点が4年ぶり。唯一の敵地白星は2-1で下した17年で、FWジェイが2得点を挙げた。

▽リーグ戦3試合、ルヴァン杯含めて4試合連続ゴールを決めたFWロペス 自分の役割を果たせている。チームに貢献し、サポートする強い気持ちを持って集中できている。