22年シーズンのJ1が、18日に開幕する。開幕戦として、川崎F-東京(等々力)が、19日に開催される他の8カードの先陣を切る。「多摩川クラシコ」で始まる1年。日刊スポーツでは川崎FのDF登里享平(31)、東京FW永井謙佑(32)と2人のベテランに同じ質問をぶつけてみた。この一戦にかける思いとは。【取材・構成=栗田尚樹、岡崎悠利】

   ◇   ◇   ◇

多摩川を挟んだ川崎F、東京の両クラブ。22年シーズンは、くしくも「多摩川クラシコ」で始まる。同クラシコ5連勝中の川崎F。登里はスコア予想を「理想は3-0」とした。「セットプレーからの得点、脇坂のミドルシュート、小林悠のヘディング」。具体的なイメージを湧かせた一方で、東京の永井は冷静だった。「イメージはしません。メンバーは向こうもこっちも代わっている。どうなるか全然わからない」と“いなした”。

カップ戦、天皇杯を除くリーグ戦での対戦を意味する「多摩川クラシコ」。ここまで川崎Fが19勝、東京が10勝、引き分けは9。J2元年の99年からスタートしてきた戦い。今回の勝敗はいかに-。川崎Fは札幌からMFチャナティップを獲得。東京は昨季までJ2新潟で指揮を執ったアルベル氏を招聘(しょうへい)。色が変わった中で「今年の~に注目して」を聞いてみた。登里は「大島のサッカーIQの高さ、橘田の運動量」。故障から復活したテクニシャン、大卒2年目のアンカーをストロングポイントに出したが、永井の答えはひと味違った。「猫背のとこに注目してくれ! 」。自虐的にアピールポイント? を挙げた。

マイペースで、クスッと笑わせてきた永井も、警戒すべき人物については、目の色を変えた。「ダミアン、家長さん。そこを止めないと勝てない。決定力が高い。小林悠もいるし。点取られると乗っちゃう」。登里も呼応するように、相手の強力な前線の選手の名を口にした。「みんな嫌やけど、1人挙げるならアダイウトン。技術と馬力が局面を変えられピンチを招く。流れも変えられ難しくなる」とガチンコだった。

39回目の「多摩川クラシコ」。登里は「自分たちのためにも、サポーターのためにも、絶対に勝ちたいプライドを掛けた戦い。勝つのはフロンターレだ! 」と気合を入れた。対する永井は「東京に来て、負け越している。印象に残る試合を逆に1発目につくりたい」と応戦した。

「敵ハ、対岸にアリ。」。川崎Fの公式アカウントは15日、「多摩川クラシコ」に向けて、独特な表現でツイッターを更新した。多摩川を挟んだ両クラブが、Jリーグを盛り上げる。

◆登里享平(のぼりざと・きょうへい)1990年(平2)11月13日、大阪府東大阪市生まれ。ポジションはDF。左サイドバックが主戦場。香川西高では、3年連続で選手権出場。高卒でプロ入り。09年から川崎F一筋。20年にはJリーグベストイレブンを受賞。168センチ、68キロ。

◆永井謙佑(ながい・けんすけ)1989年(平元)3月5日、広島県福山市出身。ポジションはFW。福岡大から11年に名古屋に加入。13年にはベルギー1部リエージュでプレー。17年に東京に加入し、ここまで159試合に出場。日本代表は国際Aマッチ12試合、3得点。178センチ、71キロ。