J1アルビレックス新潟は今季初の3連勝が懸かる21日のホーム、サガン鳥栖に向け、聖籠町で練習を続ける。前節アウェー川崎フロンターレ戦(9月29日、3-2)からリーグは約3週間中断。鳥栖との再開戦に向け、全選手がスタメン出場に向けて火花を散らす。シーズンひと桁フィニッシュを狙う11位新潟は9位川崎Fまで勝ち点3差で迫っている。これまで以上に攻撃的な姿勢を自らに求める右サイドバックの藤原奏哉(28)はゴールに直結するプレーにこだわりを見せる。

J3から駆け上がってきた藤原がアップデートを繰り返し、輝きを放つ。前節の川崎F戦からリーグ戦は約3週間中断。この期間は「前にいい形で縦パスをつける」ことを個人テーマに技を磨いてきた。15日の新潟医療福祉大との練習試合は先発で約70分プレーし、右からの縦パスで先制点に関わった。「久しぶりの実戦だったが、時間を追いながらいい感覚でプレーできました」。鳥栖戦に向けて仕上がりは順調だ。

藤原はデンカSで開催された13日の日本代表対カナダ代表をスタンド観戦し、バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)で主力を張るカナダ代表DFアルフォンソ・デービス(22)から攻撃参加のヒントを受けた。「スピードなど違いはありますが…」と前置きした上で、「ボールをさらしてワンツーで抜けたり。特長を生かすボールの持ち方など参考になった」とニヤリと笑う。

プロ6年目で挑む初のJ1舞台。守備では強烈な突破力を持つ各チームのウインガーを抑え込み、攻撃でも2アシストをマークする。リーグレベルに順応しながら攻守において成長している実感はあるが「普通のプレーをしていては勝てない」と満足はない。残り5試合となったリーグ戦でこれまで以上に攻撃性を示し、存在価値を高めながらチームの連勝に貢献するつもりだ。「デービス並みの攻め上がりを見せます」。勢いよく敵陣に進入してゴールを呼び込み、観衆の視線を独り占めする。【小林忠】